すぐびん

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運=エラーバー 『運を良くする』

      2017/09/16

私がこの本を読むことは運命で決まっていたことなのかなあ、などと考えてしまった。この本というのは、『運を良くする/山川健一、森田健、王虎応/アメーバブックス新社』。六爻占術の達人、王虎応を招いての、占いや不思議な世界にまつわるインタビュー形式の対談本である。

さて、最初の疑問、『運を良くする』を読むことは運命だったのか。

私がこの本を読むことになったのは、「本が好き!」で献本してもらったからで、それは私が抽選に申し込んだからで、それは私が「本が好き!」の会員だったからで、それはたまたまwebで「本が好き!」のサイトにであったからで、それはその時インターネットがあって私が本好きだったからで、それは私がたまたまこの時代に生まれてきて、いつの頃からか本を読むのが面白くなったからで、それは……、と際限なく(宇宙の始まりまで)続くのである。これを運命と呼ぶのならば、まさしく運命!

本書の中で、王虎応はこんなことを言っている。

 人の力とか知恵では、宇宙を根本から変えることはできないんです。宇宙の力は人間が想像できないくらいに強いです。私たちがこういうこと(六爻占術)を研究しても、時間とか空間を利用して、少し改善するという程度です。運命を改善する物を置くとかということですね。どの方向に置くかは、それは空間と時間を利用するわけです。つまり宇宙が発展していくルールを利用するということですね。でも、宇宙そのものを変えることではないです。
つまり運命は決まっているんですが、少しは自分の自由があるということだと私は思っています。

これなら考えようによっては理解できるぞ。「運」っていうのは外挿先のエラーバーのようなものなのではないか。
認識できる時間はずっと連続で、すぎた時間に起こったことは変えることはできない。自分の尻から後ろの方にずっと線があるようなものだ。この線をすこし先まで延ばしてみる、未来を予測してみるのはかまわないだろう。でもそれは決定しているものではないので、ある程度の振れ幅、エラーバーを持っている。

そのエラーバーの上限に沿うのか、下限に沿うのか、それが運のいい悪いなのではないか。
科学信者の私としては、今回かなり挑戦的な読書であった。異境に迷い込んだ、まさに I'm an alien 状態(わたしからしてみれば当然 You're aliens なのだが)。なんとか通り抜けることができた。たまには、こんなムズムズ感もよい。この運命に感謝。

(本書は「本が好き!」を通じてアメーバブックス新社より献本いただきました)

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