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さびついた道具を手入れする 『オイラーの贈物』

      2017/09/16

新装版となった『オイラーの贈物―人類の至宝e=-1を学ぶ/吉田武/東海大学出版会』、本書の人気は噂には聞いていたのですが、ちくま学芸文庫版を買いそびれていたので早速購入。頭の体操にしようと、ちびちびと読み進めています。いいですね。昔々の高校時代を思い出します。サイズが文庫版に比べて大きくなったのも、おじさんにはうれしいです。

タイトルを見ると、本書はオイラーの公式を解説したものかなと勘違いしてしまいますけど、違うんですね。e=-1にたどり着ける数学力を身につけるための教本です(言い換えれば学習書とは思えない素敵なタイトルだということ)。それもそのはず、本書は大学教養課程(文系)の数学の講義録が元になっているとのこと。レベルは高校数学。
ちなみに、オイラーの公式自体について書かれたものとしては『物理数学の直観的方法/長沼伸一郎/通商産業研究社』がすごいです。e=-1の神秘的な美しさを具体的にイメージしちゃおうというのですから。
(Jun,2016追記:『物理数学の直観的方法』は現在ブルーバックスから出ています)

高校時代は数学が好きで、物理と併せてまあ得意な教科でした(他が嫌いだったわけで、相対的な話ね)。『大学への数学』なんか読んだりして。しかし、大学に入るとまったくついていけなくなりました。「お前が生まれ持っていた能力はこのレベルなのだよ」、と冷めた気持ちで納得してしまったのを覚えています。

それから時間は流れ、今や高校数学も危ない。本書では、二項展開から複素数、微分・積分、テーラー展開、指数関数・三角関数、オイラーの公式、ベクトル・行列、フーリエ級数と進んでいきます。まあ見たことのある式が並んでいるわけですし、それらに対する“感触”はまだ残っているのですが、実際に式を導くとなると手が動かない。全く動かない。とても寂しい気持ちになるわけです。

ということで、式をノートに書き、例題を解きながらゆっくりと読んでいます。さびついた道具を手入れする、そんな感じです。

オイラーの贈物―人類の至宝e=-1を学ぶ/吉田武/東海大学出版会
オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ

物理数学の直観的方法―理工系で学ぶ数学「難所突破」の特効薬〈普及版〉/長沼伸一郎/ブルーバックス
物理数学の直観的方法―理工系で学ぶ数学「難所突破」の特効薬〈普及版〉 (ブルーバックス)

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