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男は女をスルーしはじめた 『 ぼくたちの女災社会 』

      2017/09/16

著者ご本人より献本いただきました。御礼。

いつの世にも趨勢、大勢があって、思っていても言っちゃいけないことになっていることがある。社会的な脅迫だ。今だと、環境、戦争、コンプライアンスなどだろうか。他にも「女性」というのがあるのだが、そこんところを堂々と言い切っちゃったのが『ぼくたちの女災社会/兵頭 新児/二見書房』だ。

無条件に女=善、男=悪となっている今の風潮、これにはもう我慢ならぬ、というのが著者の一貫した主張だ。まあ物事分布で考えなければならないので、こう言い切ってしまうのは極論かもしれないが、分布がかなり偏っているとは私も思う。

現状、男がビクビクして生きているのがこの社会なのだ。男と女とがかかわった局面においては、必ず「男が悪者」である。完全に思考が停止してしまっている。こんな社会で、男はどうなったかといえば、女とつきあうのことにホトホト疲れ果てたのである。女性を女と見ることを放棄してしまった。めでたく草食系男子の誕生だ。もしくは2Dのバーチャルにはしるアキバ系だ。幸か不幸か、私は必ずしもそうではないが(100%違うゼ、とも言い切れないのが情けないが)、世の中そんな風に見えてしまうのは事実である。このような社会を著者は「女災社会」と命名した。

さて、なぜそんな「女災社会」になったか?これはもうフェミニストたちの仕業なのである。未婚率の増加も少子化も男の草食化も、なんでもかんでも男の非に帰着させるフェミニストたちの計略なのである。なんせ男=悪なのだから。著者はそんな図に乗りすぎたフェミニストたち(上野千鶴子、白河桃子、酒井順子などなど)を糾弾する。はい、痛快です。

著者の兵頭氏は、アキバ系フリーライターだけあって、随所にオタクタームをちりばめているのだが、これが意外とわかりやすく的確な解説なんですね。なかでも「ツンデレ」についてはよーくわかりました。さらに、ハッとさせられるユニークな見方、表現があって、著者が真面目に書いている姿が伝わってくる。たとえば、

とか

とかね。わかるなあ。

最後の言葉として著者は、

もし本当に「女性災害」の発生を抑えようとするならば、最終的には女たちに自らの「女性ジェンダー」の抱えるエゴや業を内省してもらい、そしてまた女の欲望のすべてを引き受ける男らしい男など、そもそも最初からこの世に存在しえないのだということを認識してもらうしかありません。
ただし……女性たちがそれをする日が来るのか。
正直なところぼくにはそれが、永久に来ないのではないのか、と思われて仕方ありません。

と強引に、そして悲観的に締めくくっている。そこまで言い切ってしまうのもいかがかと思いつつ、これくらいの覚悟を決めないと書けないテーマだったんだろうな。

女性には売れそうもないことが予想されるが、度を越したフェミニズムをアキバ的味付けで論評した本書、一つの時代を切り取った一冊として存在価値あり。

ぼくたちの女災社会/兵頭 新児/二見書房
ぼくたちの女災社会

 - 社会, 読書