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弱った会議の養命酒ってとこか 『マグロ船式会議ドリル』

      2017/09/16

活きのいい案がとれる!とれる! マグロ船式会議ドリル / 齊藤正明 / こう書房
活きのいい案がとれる!とれる! マグロ船式会議ドリル

アジェンダがあってスマートな発言とともに理路整然と議事が進行して、「よし、これで行こう!」と終わる会議。対立があって喧々囂々の応酬の末、ヒーローが勝利する会議。ドラマなんかでは目にします。でも現実の会議は99%こんなふうには進まない。本当は大事な場・時間のはずなのに、なんと無駄な会議が多いことか。日本で一番無駄、コストパフォーマンスの悪い会議は国会だろう(1日3億円ほどかかるらしいからね)。要するに、世の中どうやって会議をすればよいのだろうと悩んでいる。『活きのいい案がとれる!とれる! マグロ船式会議ドリル/齊藤正明/こう書房』はそんな弱った会議の養命酒と言ってしまおう。

本書は、@niftyビジネスで連載されていた記事の書籍化。ですから中身は
今日からなれるファシリテーター~荒波を乗り越えるマグロ船会議術~
を覗いてみて下さい。デコボコ水産で繰り広げられる困った会議を立て直すにはどうすればよいか、三択のクイズ形式で進められていて取っ付きやすいです。答の解説で随所に挿入されているマグロ船の船長や船員さんの一言々々にもいちいち感心したりして。

会議を価値のあるものしよう、とその方法を教示する出版物は結構出てますね。例えば『すごい会議』なんかが人気あるのかな。それらと比べて、本書の特徴は三つあると思う。

その1。webのタイトルに「ファシリテーター」とあるので当然だが、場の作り方、盛り上げ方を説いている。会議を効率的に、解決に向かって一直線に進める手法ではなく、それ以前にみんなが会議に参加しやすくするやり方だ。

この本でお伝えしてきたことは、会議に参加したひとりひとりが、「自分が参加した意味があった」と実感でき、『やりがい』や『居場所』を感じてもらえる方法を
や考え方です。

これまでの会議本が特効薬だとすれば、本書は滋養強壮剤なのだ。

その2。あえて逆説をちりばめている。

会議の場は、『いい意思決定をすること』よりも、『みんなが、それをやってみよう!』と思える場を創ることのように思うのです。

それまで私は、「会議とは意見を言い合う場だ」と思っていたのですが、マグロ船での体験から、「会議とは、意見を聞き合う場だ」ということを知りました。

など。
例えば「すごい会議」が、第一に『意思決定をする場』を重視しているのとは対極の表現。ググッと読者を引き寄せているのがうまい。

その3。笑いながら読める。やはり最近は柔らかいビジネス書が人気なのだろう。そんな中でも本書はかなりゆるいんじゃないかな。

僕もいつの間にやら本を買ってまで読んでいるわけで、マグロ漁船に乗り込んだ体験をここまで加工できる著者の勝ちですね。

 - 社会, 読書