すぐびん

読書や文房具のことについて書いてるブログです

検索

小池百合子がポピュリズムである4つの理由 『ポピュリズムとは何か』

   

このところテレビの報道番組を見ていると、とても笑える。コメンテーターらがこぞって、トランプを批判したその口で小池百合子を称えるもんだから。それってジョークにしか聞こえないわけで。

トランプ大統領批判が吹き荒れるなか、小池都知事が歓迎さている状況が不思議でならない。だってどう見たって同類だろ。典型的なポピュリズム。都民は、国民は、小池ポピュリズムに踊らされているのである。コメンテーター諸氏、トランプを選んだアメリカを、Brexitを選んだイギリスを馬鹿にできる立場か?

小池百合子、都民ファーストの会がポピュリズムってのは確かなのか?では、千葉大学の水島治郎教授が『ポピュリズムとは何か』で丁寧に解説されているので、それを参考に考えてみよう。なお、本書は、過去・現在の世界のポピュリズムを分析していて、ぼくが持っていたポピュリズムに関するモヤモヤをかなりスッキリさせてくれたありがたい一冊。

まずはポピュリズムの定義から。
ポピュリズムの定義は二つ。

  • 「人民」の立場から既成政治やエリートを批判する政治運動
  • 固定的な支持基盤を超え、幅広く国民に直接訴える政治スタイル

どちらも小池百合子とピッタリ合致。

さらに細かく見ていく。水島教授によれば、ポピュリズムは四つの特徴がある。①主張の中心は人民、②批判③カリスマ④薄さ、の四つね。それでは順に検討していこう。

①ポピュリズムは主張の中心に「人民」を置いている

ポピュリズムは自らが「人民」を直接代表すると主張して正当化し、広く指示を獲得する。
これに対しては「都民ファースト」、この一言で充分だろう。

都民が決める。都民と進める。これが私の目指す都政の姿であります。常に都民ファーストで、透明性を高め、皆様の理解を得ながら「都民の、都民による、都民のための都政」を行ってまいります。

東京都 知事の部屋 ごあいさつ・プロフィール

ここで「人民」とは、エリートなど特権層ではなく、特定の団体や階級に属さず、同質的な特徴を共有する、ごくごく普通の「わたしたち」のこと。
付け加えれば、「America First」のパクリなので新味も面白さもないし。

②ポピュリズムはエリートを批判する

ポピュリズムは「人民」重視の裏返しとして、「腐敗したエリート」の支配を批判する。

まー噛みつく噛みつく。敵対可能な権力とは徹底的に戦って存在感アピールに使っている。内田茂&自民党東京都連、森喜朗&五輪大会組織委員会、石原慎太郎&豊洲移転の専門家会議などなど。情緒的支持を背景に、次々と打ち壊していく。手段のための批判。

③ポピュリズムにはカリスマ的リーダーが存在する

ポピュリズムのリーダーは、歯に衣着せぬ発言で既成の政党に「民衆の声」をぶつけ、喝采を浴びる。

これも言うまでもないだろう。都知事選選挙期間中、小池百合子の演説となれば緑のものをつけた「人民」が大挙押し寄せ、拍手喝采を送った。まあ、花はありますわな。

④ポピュリズムのイデオロギーは薄い

エリートを批判することが目的なので、エリートとは反対のことを主張する。なので一貫性はなく「薄い」。

すでに決定していた有明アリーナ、海の森水上競技場などオリンピック競技場に反対する。結局元の鞘に収まっても気にしない。石原が決定した豊洲移転に反対する。数字は厳しく要求するけれど、科学はまったく無視する。

このように、小池百合子、「都民ファーストの会」はポピュリズムの四つの特徴に寸分狂わず当てはまっている。小池都知事はストレートド真ん中ストライクのポピュリズムなんだな。これほどポピュリズムを前面に押し出しながら都民に支持される。ね、ポピュリズムをってすごいでしょ。アメリカ国民がなぜトランプを支持したのか、よくわかるでしょ。そろそろ海外メディアから「ポピュリズムのあらしが吹き荒れるメトロポリス」なんて記事が登場するだろう。

以上、小池百合子を非難したいわけではない(しているか:p)。トランプを批判したその口で小池百合子を応援する自称エリートたちの論調はコントだと言いたかったのである。さらに付け加えれば、メディアが騒ぐだけならまだ苦笑しておけばよいのだが、民進党がすり寄っているらしく、

都議会民進2会派が合流、新会派結成 小池氏支持を表明|朝日新聞デジタル

こうなるとあまりにもたちの悪いジョークで笑ってもいられない。

ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か / 水島治郎 / 中公新書
ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)

 - 考える