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素敵な声になりたいな 『発声と身体のレッスン』

      2017/09/16

発声と身体のレッスン―魅力的な「こえ」と「からだ」を作るために / 鴻上尚史 / 白水社
発声と身体のレッスン―魅力的な「こえ」と「からだ」を作るために

先日紹介した『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』には、プレゼンを成功させるための18の法則が収められている。これで充分網羅されてるんだけれど、あえて付け加えるとすれば「魅力的な声で語りかける」というのがあってもいいんじゃないかな。
そこで今回取り上げるのは『発声と身体のレッスン―魅力的な「こえ」と「からだ」を作るために/鴻上尚史/白水社』です。

レストランとか車両の中、近くの席で数人のグループがおしゃべりをしているのが聞こえてきた。若い子たちでもおばさんたちでも、酔っ払いのおっさんたちでもよい。何人かでしゃべっているのに、その内の一人の会話だけが聞こえてくる、なんてことがままある。よく通る声。自分がくつろぎたいときには甚だ邪魔なんだけれど、遠くまではっきり届くいい声の持ち主だよなと思うと羨ましい。要は日常のおしゃべりの中にも響く声、籠った声があるってこと。

翻って、自分の声ってどうなのか?自分の声を客観的に(録音して)聞く機会が少ないからよくわからないし、少なくともいい声だという自信はないんだよね。魅力的な声の持ち主は得だよなー、羨ましいよなー、と思っているくせに、実態把握も改善努力もしていないわけだ。

本書の中で著者鴻上氏は、髪型やメイクやファッションに気を使う人は多いのに、自分の「こえ」や「からだ」に気を使う人は、本当に少ないと残念がっている。「こえ」や「からだ」は、メイクなどと同じように、関心を持って努力すればするほど、素敵になっていくのに、とも。

本書は素敵な声を自分のものにするための効率的なレッスン書。俳優とかアナウンサーとか特殊な人ではなく、「こえ」を持つ人すべてに役立つはず。
ただしレッスンは厳しい。呼吸法から唇や舌の動かし方、はては全身のストレッチングまで、事細かなトレーニングとなっている。真面目に取組もうとすると、毎日それなりの時間もとられるので心してかかろう。それくらいの時間をかけないと、良いものは手に入らないということだね。

魅力的な声でプレゼンしている自分の姿を思い浮かべてがんばっちゃおう。

 - 人文, 読書