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「魚を食べる」ことに関する決定版じゃないかな 『からだにおいしい魚の便利帳』

      2017/09/16

からだにおいしい魚の便利帳 / 藤原昌高 / 高橋書店
からだにおいしい魚の便利帳本が好き!さんから献本いただきました。いつもありがとうございます。

月並みだが、歳とともに魚がおいしいと感じるようになった。肉と魚との好感度を天秤に掛けると、子供の頃は10:0だったのが、今は3:7くらい。スーパーで肉売り場を通ってもさほど食欲は湧かないが、魚売り場では「旨そー」と思う。健康を気遣って、なんて殊勝な意識はまったくない。魚を見ると食いたくなる。反射的に脳がそう反応するようになったってこと。そんな僕にとって垂涎ものの一冊が『からだにおいしい魚の便利帳/藤原昌高/高橋書店』だ。

本書は、「魚を食べる」ことに関する本としては決定版じゃなかろうか。魚はもちろんエビ、カニ、イカ、タコ、そして貝から昆布に至るまで、総勢98種類もの魚介類が取り上げられている。その収録の仕方がすごい。図鑑であり料理本であり食文化誌でありグルメ本なのだ。二兎を追う者なんとやらというが、四兎を追いながらビシッときまった編集だ。
試しにそれぞれの例を挙げてみると、

  • 図鑑:美しい大振りの写真に特徴の解説、標準和名、科、生息域
  • 料理本:焼く、煮る、揚げるはもちろん、その前後、選び方から食べ方まで
  • 食文化誌:魚名の語源、地方名、歴史や社会情勢
  • グルメ本:全国の名物料理マップ

など。どのページも情報てんこ盛り。見てて楽しい。

肉と魚とを比べたとき、魚がいいよなと思うことの一つは、魚には旬があること。本書では紙面の上部にさりげなく各魚の旬が表示されている。憎いね。

からだにおいしい魚の便利帳

 

さらには、ちゃんと索引が付いているのもよし。本文は魚名の五十音順に並んでいるのだけれど、魚はけっこう呼び名が地方で変わってたりするので、お目当ての魚を調べたいときには必須ですからね。

魚が好きな方でも、どうしても食べる魚が限られてくるんじゃないかな。住んでいる地方などによってね。最近は物流の発達で様々な種類の魚介類が手軽に買えるようになった。本書を読めば、いろんな魚を味見したいと意欲がムクムクと湧きあがってくるはずだ。一家に一冊、役立つこと間違いなし。

蛇足ですが、高橋書店というとどうしても僕の場合手帳を思い浮かべてしまう。いい本を出してるんですね。御見逸れしました。

 - 自然科学・応用科学, 読書