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あなたはどこまで出世できるか 『一流役員が実践している仕事の哲学』

      2017/09/16

一流役員が実践している仕事の哲学 / 安田正 / クロスメディア・パブリッシング
一流役員が実践している仕事の哲学

ビジネスコンサルタントとして活躍されている安田正氏が、豊富な経験をもとにビジネスマンの様々な行動を、一流(役員)・二流(部長止まり)・三流(平社員)の3段階で分類し、そこから一流役員の習慣の抽出を試みた1冊。

以下に感想を述べるのだが、その前提として、この感想を書いている人が決して役員になる見込みのない中年サラリーマンだということを伝えておいた方がよいだろう。この情報を踏まえてこの先を読んでね。

本書は実に面白い。何が面白いかと言うと、まずは36の行動習慣。たとえばお気に入りを一つ挙げるとこんな具合。

三流は、シャワーを浴びるだけ

二流は、しっかりと湯船につかる

一流は、朝風呂を浴びる

風呂の入り方まで役員流があったのだね。その他どれもこれも、言われてみればさもありなんと思えるから面白い。

しかしこういった事例が面白いというのはまだ序の口だ。さらに愉快なのは、挙げられている行動のどれについても、自分の行動が見事なまでに二流に当てはまるということ。実に面白い。自虐の快感だ。予想どうりだが、これほどぼくの現実を言い当てるとは、著者の観察眼は確かなようだ。そこから想像するに、役員の行動も相当当っているのだろう。とにかくことごとく二流。そんな二流の哲学で生きてきたぼくは当然役員ではない。そもそも役員になろうという気がないのだから仕方がない。人生いろいろなのだ。

さらに、本書を読んでいて感じたのは、一流の行動パターンを窮屈、息苦しいと感じるのだ。一流にならなくてもいいやと(今更なれないけれど)。そう感じた時点で二流(あるいは三流)決定。そう思って自分の心に改めて問いかけてみると、二流の行動は妙に心地よい。三流はもうちょっとがんばってねって感じ。これで二流に絞られた。要は自分の素直な感情から出世レベルが予測できちゃうのだ。

自分の中で結論めいたことをまとめてしまえば、役員になる人はそもそも本書で一流とされる行動を自発的に自然体で取れるのであって、これらの行動を無理やり真似したからと言って役員になれるわけではないということだ。朝風呂を浴びる習慣を身につけるのは勝手だが、そんなことで役員になれっこない。そんな習慣を追っかける前に仕事をした方がいい。身も蓋もないことを言うようだが間違いない。

以上おじさんのひとりごちた感想だから、未来ある若い方は参考にしてみるのもいいかもしれない。ただし、役員になるという強い意志と

仕事以外何もできない自分を選ぶ覚悟を持つ

ことを忘れずに。

本書はクロスメディア・パブリッシングさんより頂戴しました。多謝。

 - 社会, 読書