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「5アイレットアデレードクオーターブローグ」って何のこっちゃ(紳士靴)

      2016/06/16

靴の話題。

茶の靴が欲しくなった。いわゆる紳士靴、ビジネスシューズってやつね。これまで黒一辺倒だったので、なんかそれも面白味に欠けるなあという気がするし、明るい色の靴だとちょっと歳に逆らえるような。

で、デパートの紳士靴売り場を物色していたら、これいいかもとピンときたのがあったので買っちゃった。ユニオンインペリアルの一足です。フィット感、軽さなどの履き心地はgood。また、茶と一言で言うけれど、色合いは様々で、そんな中でこの色は気に入った。満足な買い物ですな。

unionimperial shoes

さて、ここからが本題。今回購入した靴、品名を調べてみると、「5アイレットアデレードクオーターブローグ」というらしい。なんじゃこの名前は。まるで呪文。呪文の意味がわからんのも癪なので、この際読み解いてみることにした。

この呪文は3つの子呪文「5アイレット」「アデレード」「クオーターブローグ」で構成されていることがわかった。とはいえ、それでもまったく「?」なのだ。以下それぞれの子呪文の意味を順に解いていく。

(1)アイレット

はじめに「5アイレット」。アイレット(eyelet)は靴紐を通す穴のこと。日本語では鳩目(はとめ)という。すなわち紐を通す穴が5組ということ。これは簡単だな。
これです。

5アイレット

(2)アデレード

次の「アデレード」は少しややこしくなる。まずアデレードのもともとの意味は楽器の「竪琴」。竪琴が何で関係あるのか。その前に、鳩目があるパーツを羽根といって、その構造には内羽根式(バルモラル)と外羽根式(ブルーチャー)との2種類あることを知らねばならない。羽根が甲の部分と一体化しているのが内羽根式、羽根が甲より前の部分に乗っかっているのが外羽根式。でもって、内羽根の形が竪琴型になっているものがアデレード。この一言で多くのことを表現しているのだ。
これです。

アデレード

(3)クオーターブローグ

最後に「クオーターブローグ」。これが一番ややこしい。まず「ブローグ」とは何か。靴の各パーツを縫い合わせている部分が単純なステッチではなくて穴飾りが施されている場合がある。この穴飾りが「ブローギング」、ブローギングのある靴が「ブローグ」。で、つま先のブローギングがウィングチップ(W型)で「メダリオン(つま先部分の花状の穴飾り)」が付いているものが「フルグローブ」。それが、つま先のブローギングが一直線になるとセミブローグと呼び、さらにメダリオンが付かないものを「クウォーターブローグ」と呼ぶ。フー、疲れた。
これです。

クオーターブローグ

以上、紳士靴のパターンはかなりきっちりと決められていて、部位ごとの名称を並べることでそのパターン(デザイン)が表現できるのですね。だから靴に詳しい人なら「5アイレットアデレードクオーターブローグ」と聞くだけで、どんなデザインなのかパッとわかっちゃうってことでした。

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