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『マンガでわかる測量』で城を建てるゾ

      2017/09/16

まったく不案内な領域に手を出してみるか、ってときに入門ガイドとして重宝するのがナツメ社の図解雑学シリーズ。そして分野が科学技術となるとこれにオーム社のマンガでわかるシリーズが加わる。初心者がサクサク読めてザックリわかる。それが図解、マンガのいいところで、勝手にフォトリーディングらしくなっちゃう。人文科学、社会科学、自然科学、たいていの項目が揃っていているので試してみてはいかが。

今回挑んだのは『測量』。最近「測る」ことに関連してちょっと調べてみるかと企んでいて、「測量」って字から見て測るそのものだよな、でもその中身のことをぜんぜん知らないな、と気づいたもんだから。本来は測量士補なんかを受験する人が手に取るようだな。

シビール王国の王子イザックが国王から命じられ、荒れ果てた辺境の地ゴーストランドに城を再建するという設定。城を築くならまず測量、でもって基礎から測量の講義を受ける。講義と言っても座学ではない。すべて現場実習。
三角点の意味を知ったところで、スチールテープ(鋼製巻尺)とポールを使った距離測量から開始。トランシット、ピンポール、スチールテープを使ってトラバース測量。さらに平板、アリダード、求心器を使って平板測量。最後はレベルとスタッフで水準測量(直接水準測量)。お城建築現場の地図の完成だ!

理屈は少し触れるだけで、終始現場チックな技術解説。器具の使い方(設置するにはどこをどう合わせるとか、目盛をどう読むか、なんてとこまで)、データの記録・整理の仕方などなど。誤差の補正方法なんてしつこいくらいに詳しいぞ。実はこんな内容がうれしかったのだ。理屈はおおよそ察しがつくけど、じゃあ実際のところ測量ってどういうふうにやってんの?となると門外漢のぼくにはちんぷんかんぷんだからね。短時間で、「ほー、なるほど、測量ってこんなふうにしてるのね」って基本の雰囲気がつかめたよ。めでたしめでたし。

マンガでわかる測量/栗原哲彦、佐藤安雄、吉野はるか、ジーグレイプ/オーム社
マンガでわかる測量

 - 自然科学・応用科学, 読書