『となりの関くん』大好き、横井さんもっと大好き
2017/09/16
中2の息子がこれ読んでみなと言うのでパラパラっとめくったら、アラアラなんと、のっけからつぼにはまっちゃった。面白いのなんのって。1月の現時点で2013年のベストコミック確定なのだ。
授業中、先生の話なんかに目もくれない「徹底授業サボりマンガ」であり、その間机上で繰り広げられる「超絶一人遊びマンガ」。今生徒の人もかつて生徒だった人も、授業関係なしに教科書に落書きしたり、鉛筆回しに打ち込んだりした経験あるでしょう。そんな、ほぼ全ての人が共有する時間、空間、体験を見事なギャグに昇華させちゃった作品。一人遊びに邁進する関くんと、それを隣で見つめる横井さん。ボケとツッコミ。このツッコミ横井さん視点で描くことで圧倒的に成功しているのだが、それについては後で述べる。
本作、一部試し読みができるので、そちらを覗くと感触がつかめるかも。
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さて、この作品の魅力を書きだすといっぱあって、まずは簡単なところから行くと、絵がいい。必要な情報は盛り込みつつ描きこみ過ぎず、スッキリとして読みやすい。
次に、当然ながらボケ担当関くんがすごい。彼が連発する超絶一人遊びの数々にはあ然とするしかない。将棋、囲碁、チェス、折り紙、紙相撲、ドミノなどなど。当たり前の遊び道具を使いつつ、常人にはとても想像つかない遊び方を関くんは展開する。さらにその遊びの中にはあっという間に壮大な世界観が織り込まれていくのである。横井さん曰く、
レベルの低い遊びがいやなのね。普段の関君は遊びの完成度を追求してるからな。
漫才コンビの多くがそうであるように、ボケ担当はとてもクリエイティブなのだ。
そして最大の魅力、横井さんの登場である。横井さんは隣から関くんをあるときは叱咤し、あるときは助けの手を差し伸べ、応援し、あるときはバカにする。そう、常に関くんを優しく見守り関わり続けるのである。加えて可愛い。そんな横井さんの存在があってはじめて、この作品は成り立っている。
この作品に流れているもの、描かれるひとコマひとコマは男の理想の光景なのである。自分の好き勝手を追求する。たとえ関くんほどのクリエイターであろうとも、それだけだと単に変な奴なのである。バカな男の話だけになっちゃうところ。ただしここにはそれを見守ってくれる可愛い女の子、横井さんがいる。バカな自分を包んでくれる女が傍らにいる。なんて羨ましい学校なんだ、教室なんだ。ちょっと熱が入ってしまったが、とにかくおっちゃんは横井さんが大好きだ。『となりの関くん』を愛読している男子生徒諸君、横井さんみたいな女性と結婚するとよいかもよ。
などと変なことまで言わせる力が本作品にはあったということだ。