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スケッチ初心者のぼくが感激した、パースの基本中の基本

   

perspective

趣味でスケッチを始めたぼくが、これは役に立ったと感激したパースの基本中の基本を紹介します。少し勉強してみてわかった、これさえ押さえておけばって肝です。

箱が描けない

これまでまともに絵を描いたことなかったので、トレーニングを兼ねて単純なスケッチを始めました。するといきなり困ったんですね。フツーの箱が描けない。斜め上から見たところを描きたいのに、どう線を引いてよいかわからないのです。ただの箱ですよ、箱。直方体。たとえばこんなの。

box

なぜ描けないのかあれこれ考えてやっと気づきました。

遠近法がわかっていなかった

遠近法がわかっていなかったんですね。それくらい知ってるわい、と高を括っていました。「一箇所に向かってヒューッと集まるようになるあれだろ」、間違いじゃないですが甘すぎました。こんな程度じゃ役に立ちません。なぜ役に立たないかというと、技術、方法として使えるところまでわかっていないから。あるていど理解していないと箱すら描けない。ということで、遠近法(以下パース)に入門してみました。

パースを取れるようになる

パースとは、遠近感を持った絵を書くための手法、その中でも特に、目に見える物を平面に正確に写すための技法「透視図法」です。建築、デザイン、絵画の専門家にとってはパースは必要不可欠な技法で、これができなければ、自然な絵が描けないらしい。ならばパースが取れるようになりたい!でも、詳しい解説書がたくさん書かれているくらい、パースってまじめにやると奥深そう。いつかはきちっと勉強したいと思いますが、まずはサクッとネットでかじってみました。

それでわかった大事なこと、きちんと理解しておかなければならないことはたった二つのことだったんです。それは「アイレベル」と「消失点」。この二つ、基本中の基本のことにもかかわらず、意外と素人が納得できるように説明されていることが少ないんですね。そこで、ぼくが理解した「アイレベルと消失点の肝ってこれだ」をまとめます。ようやく本題にたどり着きました。

アイレベル

スケッチをするときは、まずアイレベル(EL)を決めます。アイレベルとは目の高さを示す線で、絵の基準になる線です。こんな線ですね。

eyelevel_a

たいていの場合、地面とか床とかに水平な直線になります。アイレベルは地平線や水平線のことではありません。また、絵の真ん中にあるものでもありません。ここでいちばん大事なのは、「見ている高さ」ではなくて、「目の高さ」だということ。まっすぐ前を見ようと、見上げようと、見下ろそうと、目の高さは変わりません。まっすぐ前を見たときの絵を描くとき、アイレベルは絵の真ん中あたりにきます。しかし、見上げたとき(アオリ)の絵を描くときは、アイレベルは絵の下の方に、見下ろしたとき(俯瞰)の絵を描くときは、アイレベルは絵の上の方にきます。下図のような感じ。

eyelevel

これ勘違いしやすいです。繰り返しますが、アイレベルは見る方向ではなくて目の高さ。これさえ守ればOKです。

消失点

次に消失点というのを決めます。透視図法の鉄則に、「実物の平行な線は1点に収束する」があります。その収束する点を消失点と呼びます。シューッと集まっていく場所、こんな点ですね。

eyelevel_b

パースの解説を読むと消失点の数によって、一点透視図法、二点透視図法、三点透視図法がある、と書かれています。ほんとうはこれおかしいです。大事なことなのですが後ほど説明します。まずは代表的な一〜三点透視図法について。

消失点が一つのときが一点透視図法、二つのときが二点透視図法です。一つの方向にシューッと集まっていくか二つの方向かの違いですね。こんな感じです。

Vanishing point

絶対守らなければならないことは一つだけ。一点透視図法、二点透視図法では、消失点はアイレベルの上にあるということ。「実物の平行な線は1点に収束する」が鉄則ですから、地面や床と平行な線はアイレベルの上に集まらざるをえないんです。

三点透視図法はビルを見上げたような構図で使われます。これになると、消失点が三つになるのですが、その内の一つはアイレベルの上にはありません(二つはアイレベルの上にあります)。ビルの側面などは高さ方向に平行なので、それらがシューッと集まる場所は見上げたり、見下ろしたりした先にあるからです。目の高さとは違うところになりますから、アイレベルとは関係ないところにある、ということです。

さて、一〜三点透視図法はほんとうはおかしいと言いました。その意味の一つは、世の中平行な線の組はたくさんあるんだから、一〜三点で描けるわけないやん、ということです。例えば三角屋根の辺は壁とは平行じゃないです。だから一〜三点透視図法では単純には描けません。ぐにゃぐにゃ曲がった道もそうです。図法を複雑に駆使すれば描けますけど。

もう一つは、「ズーッと両側に遠くまで続いている壁を画面の中に描きたい」とかいう場合です。魚眼レンズで見たような画面です。こんなとき消失点は無限になります。これについては話がややこしくなるので、ここでは割愛します。

以上ポイントは二つ

①まずアイレベルを決めます。アイレベルとは目の高さを示す線で、見ている方向とは違います。

②次に消失点を決めます。消失点とは実物の平行な線が収束するところです。消失点はいくらでもありますが、一点透視図法、二点透視図法ではアイレベルの上に決めます。

です。これさえ押さえおけば、スケッチするとき、もっと深くパースを勉強するとき、楽になると思います。

こんなに変わった

以上を踏まえて描いてみました。

iphone-sketch

iPhoneの電源コネクタです。左がパースを知る前、右が知った後に描いたものです。どっちも下手、と言ってしまえばそれまでですが、あえて言えばやはり右のほうがさまになっている。ぼく自身は、描きたいように描けたなとうれしくなりました。なので、こんな記事書いちゃったわけです。スケッチ始めたばかりで、これくらいには描けるということで。

パースは気にしなくていい(余計なこと)

長々とパースについて書きました。何事も基本は大事ですね。基本を知っていると楽に描けるなあと感じます。でも、絵の魅力ってパースで決まるものではないとも思います。厳密に守るとかえって不自然になっちゃう。パースなんか関係なく、いい絵はいい。浮世絵なんてそうです。子供の描いた絵なんてまさにそうです。知った上で忘れて描く。そこまで行ければ大したもんだなあって思います。

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