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脳神経細胞を電気信号が伝わるメカニズム 『進化しすぎた脳』

      2017/09/16

脳科学の初心者入門書として、また以前このblogで読んでみようと書いたこともあって、『進化しすぎた脳/池谷裕二/朝日出版社』を読んだ。私が読んだ池谷先生の本としては『記憶力を強くする』『海馬』に続き3冊目になる。

進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線

進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線

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池谷 裕二
朝日出版社
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本書は脳を研究している若手研究者、池谷先生による高校生たちへの講義録形式で、だから高校生が理解できるレベルに噛み砕いて脳とは何か、脳の仕組みはどこまで解明されているかを教えてくれる内容となっている。そして実に面白い。

「脳の記憶はあいまいで、そのあいまいさが大事」「自分で意識して体を動かしているのではなくて、無意識に動いた後に意識している」など話題満載である。しかも最先端の話題も取り扱っている。

私にとってこの本の圧巻は脳神経細胞を電気信号が伝わるメカニズムの解説だ。「神経を電気が伝わって…」のような話を聞くことはあるが、具体的に何がどうなって電気が流れているのかを知っている方は少ないんじゃないでしょうか。私は知りませんでした、それ以前に考えたこともなかった。その仕組み、基本的にはNa(ナトリウム)イオンが細胞に取り込まれるとそこの電位が崩れ(スパイク)その電位の崩れが隣の細胞に影響してまたNaのやり取りが生じ、それを繰り返していくとスパイクが波のように神経細胞を伝わって行くんですって。脳を使っているときは(いつでも使っているんだけども)Naがあちこちで出入りして、ドドーッと脳の中を連鎖反応しているらしい。シナプスでの信号のやり取りも丁寧に解説してくれている。これらを勉強できただけでも儲けもんである。

「脳のことがわからないからもっと理解しよう」ということを「脳自体が考えている」のだから、ややこしい話ではある。

 - 自然科学・応用科学, 読書