『おとりよせ王子 飯田好実』はなんて幸せ
2017/09/16
おとりよせ王子 飯田好実 / 高瀬志帆 / ゼノンコミックス
既刊3巻をイッキ読み。主人公飯田好実(男、独身、SE)が全国から通販で取り寄せた逸品を堪能するお取り寄せグルメマンガ。いいよ、これ。想定外の感動だよ。
最近になってこんなコミックがあることを知って(ちなみに第1巻は2011年11月発売)、なんか面白そうやなと無性に読んでみたくなったもんだから、3巻まとめて注文した。最初に「なんか面白そう」と思ったのは、当然ながら「お取り寄せグルメ」ってところにあった。そんなニッチを取り上げるとは目の付けどころがいいなと思ったし、美味しいもののお取り寄せ自体にも興味あるし。ところが読み進めていくうちに、それとはちょっと別のところで感動感激してきちゃったわけ。
「但熊の卵かけご飯」から始まり3巻で全31品の旨そうなものを次々と紹介してくれます。それはそれで情報として便利なのだが、この作品でゾッコン感動したのはね、飯田好美がすんごく幸せそうなところなのだ。
ほんのちょっとした贅沢ですよ、お取り寄せって。でもそれを目いっぱい楽しむというか無上の喜びにしているというか。それってすごくいい。そんな王子の姿に感動感激しちゃったわけです。
卵かけご飯食べてこの顔だよ。こんな顔しなくちゃいけないんだ。せっかく旨いもん食べたのなら、こんな顔しなくちゃ損だよ。
お取り寄せに限った話じゃない。毎度毎度の食事を最大限に楽しむとか。食事に限った話でもない。心のそこから楽しむ、喜ぶって一番幸せなことだと思うんですね。「これは」っていう至福の時があるって、すごく素敵な人生じゃないですか。
王子の幸せっぷりがこっちも幸せにしてくれる、ホクホクのマンガでした。うん、いいよ、これ。