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今夜は震えて眠れ 『犯人に告ぐ』

      2017/09/16

双葉社がここぞとばかりに売り攻勢をかけている『犯人に告ぐ/雫井脩介/双葉文庫』。書店の平台に「これでもか」と積まれていたら、その本は読まないほうがよいというのが私の経験から得られた法則。それに反して読んでみっかという気になったのは、帯の豊川悦司に惹かれたせいかもしれない。豊川悦司、私のお気に入り俳優の上位にランクインしてますから(『サウスバウンド』もそのせいで買っちゃったのかねえ)。

犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)

犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)

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雫井 脩介
双葉社
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幼児誘拐事件の捜査で失態を演じた警視、巻島は、その後の記者会見でぶちキレ、田舎の所轄に飛ばされる。6年後、連続児童殺人事件捜査のリーダーとして呼び戻された巻島に与えられた任務は異例のテレビ公開捜査。彼はテレビのニュース番組に出演し犯人に呼びかける「劇場型捜査」を仕切ることとなる。捜査手法への避難が強まる中、犯人を炙り出すことができるのか……。

ひとことで言えば、読みやすい刑事サスペンス。連続殺人事件の捜査を主軸として、6年前の事件とキャリア上司のお遊びとが絡むストーリーはわかりやすいし、文章も平易。裏表紙には、「普段ミステリーや警察小説を読まない人をも虜にする」と書かれている。なるほどそうなのかもしれないが、これが落とし穴なのだ。ひねくれて言い換えれば、ミステリーや警察小説をよく読む人には物足りない、ということなのだから。巻島が記者会見でプッツン切れるところまではとてもよく書けているので、後はその勢いで読んでしまうといったところか。

エド・マクベイン87分署の人間模様、ジェフリー・ディーヴァー諸作品の緊張感と比べてどうか。そんな比較は意味がないと言われるかもしれないけれど、「読む側」としては高望みをしてしまうものだ。

 - 小説, 読書