時間を投資で増やす 『レバレッジ時間術』
2017/09/16
時間の大切さに気づくのは、若ければ若いほどよい。残された時間がそれだけ多いのだし、その多い時間を充分に活用できるのだから。男が時間の貴重さを察する最後のチャンスは40歳にあるように思う。区切りのよい数字であるし、平均的にはそれが人生の折り返し点であるからだ。私はこの最後のタイミングで滑り込んだ口だ。40の頃、「もう後何年生きられるかなあ」と数えるようになったし、その残りの少なさに恐怖を覚えた。
時間の重みを知った上で時間に関して書かれてものを読むと、その切実さから頭にしみ込んでくる。『レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則/本田直之/幻冬舎新書』は手軽ながらも重みのある、そんな一冊だ。
本田氏の「レバレッジ物」である本書は、時間を投資で増やすという考え方をベースにして、いかにして時間にレバレッジをかけるか、ワークライフバランスとは何か、などを豊富な事例を引いて解説してくれる。
当然ながら、ここでいう「時間」は「使える時間」、「役立つ時間」のこと。文字通りの意味で時間を増やそうとすれば、長生きするしかない。でなけりゃ次の世代に引き継ぐか。
さて、本書を読んでいて思い出したのは、大昔に読んだ渡部昇一の『知的生活の方法』にあった「時間を金で買う」というフレーズだ。レバレッジとはニュアンスは違う直接的な考え方だが、時間を増やす方法としてこちらも大事にしたい。