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プレゼン、その前に大切な一つの法則 『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』

      2017/09/16

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則 / カーマイン・ガロ(井口耕二 訳) / 日経BP社
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則

名古屋へ向かう新幹線の中で開いて読み進めるうちに「プレゼン」なんてどうでもよくなっちゃった。そして名古屋へ着くころには元気が出てきた。いや、勇気かな。そんな一冊が『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則/カーマイン・ガロ(井口耕二 訳)/日経BP社』、最初手に取る時にちょっと胡散臭く感じたんだけど、謝る。読んでよかった。

現在、世界で最も聴衆を魅了するプレゼンター、スティーブ・ジョブズ。本書は彼のプレゼンテーションの魅力を解き明かし、その手法にあやかろうとする解説書。と思いきや、私が読み取ったメッセージは違うところにあったんだね。

たしかにプレゼン手法として大事なことが書かれている。「構想はアナログでまとめる」「ツイッターのようなヘッドラインを作る」「数字をドレスアップする」「キレがいい言葉を使う」などなど全18の項目がカチッと押さえられている。どれもこれももっともな話で、ぜひとも身につけたいテクニックだ。

しかし、だ。これらの手法を教えてもらったところで、それらをフルに実行できるだろうか。身に付くだろうか。手法を学んだところでジョブズになれるわけではないんじゃないかな。というのも、プレゼンテクニックの前にもっともっと大切なことがあるからだ。それは「情熱」、ジョブズ流に言えば「宇宙に衝撃を与えたい」だ。カッコいい!この情熱があってはじめてプレゼンに精力を注ぎこめるのだし、テクニックが効果を発揮してくる。
だから、プレゼンの前に、一番大切なのは情熱だ。そしてそれを具現化するプロダクトやアイデアが要るね。ジョブズの場合はガジェット、ハワード・シュルツの場合はコーヒーだ。

本書で述べられている手法が意味ないなんて言ってるんじゃない。ガロ氏はジョブズのプレゼンを披露することで、その大事なことを伝えようとしているんだ。ちょっと大げさかもしれないけれど、プレゼンの法則を通して生き方の法則を語ってくれていると思う。だから読み進めるうちに勇気が湧いてきたんだ。

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