宇宙誕生のころのブラックホールが見つかったらしい
2016/07/23
こんなニュースが飛び込んでくると、わけもわからず興奮してしまうのだ。
宇宙最初期の巨大ブラックホールを発見 ーナショナルジオグラフィック ニュース
130億年かけてようやく地球に届いたX線を辛抱強く観測していたら、ドでかいブラックホールが見つかったということらしい。130億年前にあった、宇宙の誕生からたった(!)7億年後の宇宙最初期のブラックホールだ。質量は、太陽の10万~100万倍。どれくらいすごいのかは到底実感できないが、「凄い」ということは充分に伝わってくる。
しかしちょっと待った。取り込まれたら光さえ脱出不可能なブラックホールなのになんでX線で観測できるんや(僕のレベルはこの程度)。どうやらブラックホールに高速で落ちていくガスがすごい高温になって、その際に放出するX線を観測するようだ。ブラックホールそのものじゃなくて、その周囲で運動しているガスを捕らえるということなのだろう。ちなみに今回観測に使われたのはNASAのチャンドラX線観測衛星。
さて、この発見に関して、研究チームリーダーのエゼキエル・トライスター氏は「銀河の形成と超大質量ブラックホールは密接に関係している。しかし、どの程度の影響を与えあっているのかは不明だ。さらに過去の宇宙を観測すれば、何らかの手掛かりを得られるのではないか」と語っている。ようやく手にした大発見を前にして、「もっともっと調べれば何かわかるかもね」とは、なんとも謙虚な態度ではないか。宇宙物理学者の執念と誠実さに頭がさがる思いだ。