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腹が減ったら飯を食う 『孤独のグルメ【新装版】』

      2017/09/16

孤独のグルメ【新装版】 / 原作・久住昌之、作画・谷口ジロー / 扶桑社
孤独のグルメ【新装版】

新幹線での移動中、Kindleで読むのに軽いものがいいなと思って、そうだこんな時こそコミックだと思い当った。コミックのカテゴリを開いてみると、以前から気になっていた『孤独のグルメ』があったのでさっそくダウンロード。すぐ読めるってのはやはり良いなあ。

個人で雑貨輸入商を営む井之頭五郎が仕事の合間にいろんなところで食事をするというお話。腹が減ったので飯を食う。それだけ。食事をしにわざわざ出かけるのではない。腹が減ったと感じたら、あたりを見回して飯屋に飛び込む。絶品グルメも究極のメニューも登場しない。なんせ「東京都豊島区池袋のデパート屋上のさぬきうどん」まであるからね。でもそれだけでじわっと良かった。

腹が減ったら飯を食う、あまりにあたりまえのことだけれど、この部分だけを抽出すると、食べられるって幸せなんだよなあって改めて思えてくる。あたりまえの幸せに感謝です。

そんな何気ない話にひねりを加えているのは、井之頭が食事を思い立つ場所。ありきたりのシチュエーションからちょっとだけずれている。昼間の回転すし屋であったり、公園であったり、ドヤ街であったり。いろんな人の暮らしぶりが見えてくる。そして主人公自体が謎めいている。さてどんな過去を経て今の井之頭に辿り着いたのやら。

おっちゃんが忘れていたツボをソーッと撫でるような作品でした。文庫版もあります。

松重豊主演でドラマ化もされていて、Blu-ray、DVDが出てるので、いつかそっちも観てみよう。

 - 小説, 読書