本棚を作る! 720冊収納できる本棚自作の過程を紹介
2022/04/16
溜まる一方の本を保管しておくために「本棚製作プロジェクト」を立ち上げました。要は日曜大工、DIYなのですが、せっかくのプロジェクト、その進行状況などを記録しておきます。
0. どうして本棚を自作するのか
「本棚製作プロジェクト」立上げの大きな理由は以下の2点です。
- 手に入れた本はなるべく手放したくない性分。これまで収納に困って何度か本を処分したが、とても悲しかった。壁一面の本棚があれば、かなり大きな収納スペースを確保できる。
- なのに、市販品には碌な本棚がない。特に無駄な奥行きの広さにはあきれる。本を並べておけるだけのシンプルな棚でさえあればよいのに。
となると、自分で作るか建具屋さんに注文することになります。建具屋さんに作ってもらうと数十万かかるらしい。金持ち父さんなら迷わず発注となるのでしょう、そこは貧乏父さんの性、自分で作れば安くできるのではと考えたわけです。まんざら工作が嫌いでもないし。
本棚製作に関する情報はないかとググッてみると、まさにピッタリのサイトがあるではないですか。
これら2サイトは内容がとてもすばらしくて(ちなみに「清く正しい本棚の作り方」が源流)、見ているうちにだんだんと自作欲求が高まってきました。
しかしまだまだ自作に踏み切る決心ができない。やはり面倒くさいんですね。そうこう迷っていたある日、もし自作するとすれば近場でどんな木材が手に入るのかだけでも調べてみようとホームセンターに足を運んびました。するとそこにはサブロクのパイン集成板が3枚だけ売られていました(「清く正しい本棚の作り方」ではサブロク3枚で2本の本棚を作る方法が紹介されている)。これは「本棚を作れ」という神のお告げ!こうなったら作るしかない。決心しました。「作ってやろうやないか!」
1. 設計する
本棚の設計は、ベースとして「壁一面の本棚の作り方」のデザインをパクらせていただき、微調整して、
- 上下2分割
- 上段:1715Hx636Wx170D、7段、下から240-240-240-220-220-220-191
- 下段:680Hx636Wx250D、2段、下から350-225
としました。このデザインはとてもよくできている。どうよくできているのかというと、私の持っている本の大半は、A5、B6、新書、文庫サイズであって、奥行きは170mmあれば足りるんですね。ただしA5サイズもあるし、子供の本を含めるとけっこう大きいものが増え、高さ350mm、幅210mm超の棚も必要。このような状況に見事にマッチするのが上記のデザインなのです。
1本あたり9段、まずは2本作ることにしたので計18段、600x9x2=10800となって、本1冊の厚みを15mmとすると720冊収納可能。これだけじゃ足りないけれど、だいぶ整理はできる。今回の様子を見て、追加製作していくつもり。
ここまでの材料、道具の買い物 その1
ホームセンターでサブロクx18Tのパイン集成材を3枚、180x250x18のパイン集成材を1枚購入。材木費は17890円。準備してきた板取図面を渡してその場でカットしてもらう。なんとカット代を激安520円におまけしてくれた。感謝。その他とりあえず、木ねじ(コーススレッド、3.8φx41、100本)、ボンド、ドリルピット(3φ、4φ)を購入。ここまでの総額20275円。
2. 組み立て
切断された板を木ねじとボンドで組み立てていきます。組み立て方は清く正しい本棚の作り方で教示されているとおりにコツコツと実行するのみ。まずは側板に棚板の位置を正しくけがく。側板の1枚に設計したとおりに寸法をとって印をつけていく。それをもう1枚の側板に写しとる。寸法をとった2枚の間に残りの側板2枚を挟み込んで、両側の印を使ってまとめて線を引くと、効率的に誤差を小さくけがくことができます。次に木ねじが通過するくらいの若干大きめの穴を側板にあけ、それに対応する棚板の側面にも木ねじをガイドするための小さな穴をあけました。
以上の下準備を施した後、棚板にボンドを適量つけ木ねじを目いっぱい締めこんで側板と接合。適量というのは、木ねじを締め付けるとボンドが少しはみだしてきるくらい。数が多いことだけが厄介ですが(今回、天底含め棚板は計24枚)、愚直に繰り返します。
組み立て終えるとなかなか立派な棚が出現しました。ここまで来て、ようやく最初の達成感を味わうことができました。
次は塗装に挑戦です。
ここまでの材料、道具の買い物 その2
紙やすり(#320)、木工パテ(タモ)、水性塗料(オフホワイト)、刷毛、木工やすり、木ねじ(コーススレッド、3.8φx51、20本)を追加購入。本日の買い物代3252円、これまでの総額23527円。
3. 塗装
木ねじの頭のパテ埋め作業は少しずつ進め、すでに完了。パテ部の処理を含めて板の表面を紙やすりで磨く。これがなかなか苦しい作業でした。ここでいかに丁寧に磨くかで仕上がりに差が出ることは充分承知していんですが、最後はかなり手を抜いてしまった。磨きが面倒くさいという怠け心としばらく製作が中断していたことへの焦りとが、品質向上に勝ったというわけ。まあ妥協もよいかと。
おおまかに磨いた後は、ひたすらペンキ塗りに励みます。部屋の明るさを優先させて、色はオフホワイト。2倍程度に薄めたペンキを刷毛で塗り重ねていく。昨日はよい天気だったので庭で、今日は雨のため屋内で作業を進めました。
下塗りと併せて計4回塗り重ね、この辺でよかろうと塗装作業を完了。もっと塗ればもっときれいになるのだろうけれど良しとするか。
後は裏板の塗装、貼り付けを残すのみとなりました。
ここまでの材料、道具の買い物 その3
追加の紙やすり、ベニヤ板(300x900x2.3)3枚(47x630x2.3、18枚にカット)、くぎを購入。今回の費用は1289円。総額24816円!
4. 背板の貼り付け
本棚製作最後の工程、背板の貼り付けです。
「清く正しい本棚」では背板を一枚ものとし、モノコック構造による強度アップを強調されています。しかし今回は敢えて逆らい、棚板上面から35mm高さになるよう小割りした背板を取り付けることにしました。その理由は本棚裏面の湿気、カビ予防です。以前、本棚を置いていた所の壁をカビで汚してしまった経験があり、これはなんとしても避けたかったのですね。強度を犠牲にして衛生を優先させたわけです。
板厚2.3mmのベニヤを630x47に切断し、塗装した後、各棚板18段にボンドとくぎで貼り付けました。本が後ろに抜けてしまわないためのストッパーです。
5. 完成
ようやく完成しました。本のために作った棚ですから、当然のように気持ち良く本が収まります。幅は1200mmとまだ狭いですが、天井まで本が並ぶとそれなりに壮観。奥行きが狭いので部屋が広くなったのもうれしいですね。
開始してから36日、最初は尻込みしていましたがなんとかなるものです。よくがんばりました!