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某、時代小説作家にござる 『時代小説家になる秘伝』

      2017/09/16

プロ作家養成塾 時代小説家になる秘伝 (ベスト新書 172)『プロ作家養成塾 時代小説家になる秘伝/若桜木 虔/ベスト新書』は、そのタイトルが示すとおり、時代小説家になるための、さらに絞り込むと時代小説系新人賞を獲るための教科書だ。したがって時代小説の書き方中心の話になるが、それに限らずエンタテイメント小説全般に通じるストーリーテリングの示唆にも富んでいる。

「長編では主人公一人につき120枚以上書け」「適切な参考書となるお手本を読み込み、写せ」「新人賞受賞のキーポイントはストーリー展開の面白さとキャラの魅力」「文章は正確に読者に伝われば充分」などなど、具体的、定量的で歯切れの良い指南は小説を書こうとする人の拠り所となるはずだ。

この手の指南書、巷には溢れかえっている。所詮最大公約数的なことしか書かれていないので、もしこれらを参考にしたら凡庸な作品しか書けない。凡庸でもいいから、まずは小説を書くことが先決なのだと割り切ることも大事なのだと思う。

加えて当然のことながら、この類いの本をいくら読んでも小説は書けない。「書いて、書いて、書き続ける」しか小説を書く秘訣はないのだから。

 - 人文, 読書