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世襲するなら真剣に世襲しろ! 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 2』

      2017/09/16

政治家(国会議員)の世襲について賛否が騒がれている。私は世襲自体悪いことがあるとは思っていない。禁止する必要は一切ないと思う。だたし、言いたいことはある。それは、
「世襲するならもっと真剣に世襲しろ!」
だ。

目に触れやすい世襲を見ていて、どうも二つのグループがある。一つは例えば古典芸能だ。歌舞伎、能、狂言。彼らは世襲するために徹底的に芸を叩き込まれているように見える。もう一つは二世タレント。彼らに能力があるようには見えない。単なる親ブランドで芸能活動行っている。前者を「親の跡を継ぐ」と言い、後者を「親の七光り」と言う。

さて、政治家はどうか。世間が二世三世議員を胡散臭く思うのは、「政治家なんて愚鈍なくせに偉そうにして、甘い汁だけ吸ってんだよな。そんなおいしい椅子が世襲なんてふざけんな」と感じているからだろう。民主党はマニフェストに世襲制限を掲げるらしい。その理由は、「自ら範を示す政治の実現」だそうだ。党首は世襲議員である。彼はどうしようもないバカなのか。自らが世襲議員は役に立たない言っていないと認めているのだ。「国民の皆さん、あなたたちの感じていることはそのとおりなんです」と言っているのだ。世襲議員はこんなに優れているのだということを何故示さないのか。示せない、のが実体なのだろう。「親の跡を継ぐ」ではなく「親の七光り」だということだ。

なんでこんな話を書いてしまったかというと、『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 2/塩野七生/新潮文庫』を読んでいたら無性に情けなくなってきてしまったからなのだ。

 

海の都の物語〈2〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)
海の都の物語〈2〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)

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塩野 七生
新潮社
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ヴェネツィアは1300年代、元首ピエトロ・グラデニーゴの改革を引き継ぎ、国会議員の世襲制を法制化した。今の時代、彼らに倣って世襲制万歳を唱えることなどもちろんあり得ない。ただし、子供に跡を継がせるのなら、彼らの心持ちくらいは見習って欲しいということだ。頼むからまじめに世襲してもらいたい。

共和国国会のメンバーを世襲制にすることは、政治のプロをつくることであった。
(途中略)
ヴェネツィアの貴族は、他の国々の同僚とはちがって、国政に参与できるというたったひとつの特権を得、貴族階級に属するという栄誉を与えられる代わりとして、率先して法を守り、率先して税金を納め、率先して戦いの第一線に立たねばならないという義務を課せられていたのである。

 - 社会, 読書