日本語学校の先生がいる限り 『日本人の知らない日本語』
2017/09/16
日本人の知らない日本語 / 蛇蔵&海野凪子 / メディアファクトリー
『日本人の知らない日本語/蛇蔵&海野凪子/メディアファクトリー』、話題になっていることは知っていたのだけれど(ORICON STYLEの3月15日付けデータによれば67万部を突破しています)、当初読む気はさらさらなかったのです。「よくある間違い日本語ネタをマンガにしたんだろ」と、ちょっと馬鹿にしていたのですね。そう言いながらも気になっていて、書店でチラッと立ち読みしてみたら……、途中でやめられなくてレジに運んでいました。謝ります。ごめんなさい。とてもとても楽しい本です。
私はこうやって文章を書くのが好きなので、日本語については普段からそれなりに意識するよう心がけているのですが、この本で初めて知ったことや勘違を訂正されたことも多かったです。勉強になりました。室町時代のギャル語、博打打ちの符丁、江戸時代の芸者言葉、薩摩軍人の方言、などなど。
それ以上に、読んでいて楽しい、面白い。日本語を学ぶ生徒と彼らに教える先生とが共に真剣だからこそ、こんなに面白いネタが湧いてくるのでしょう。あと「学生が母国に持って帰りたいもの」、日本文化を外から見る意味でとても良いコラムになっています。狛犬とか同人誌とかウォシュレットとかね。
そのうち日本人は、「正しい日本語」を日本語学習者に頼らなければならなくなるのでしょうか?
なんておっしゃっていますが、そんなことないですよ。日本語学校の先生がいる限り。でも学校での日本語教育ってこんなので良いのかなと考えさせられます。学校教育というよりも、大人になってから日本語を勉強しないことが問題なのでしょうけれど。
さーて、第2段も読まねば。