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宇宙を知るって大事だと思うんだ 『天文宇宙検定公式テキストブック 3級 星空博士』

      2017/09/16

天文宇宙検定公式テキスト3級星空博士 / 天文宇宙検定委員会 編 / 恒星社厚生閣
天文宇宙検定公式テキスト3級星空博士

本が好き!さんから頂戴しました。いつもありがとうございます。

「天文宇宙検定」とはなんとも心くすぐる名称である。

太古の昔から人類は天体を眺め、それを拠り所にして生きてきたし、はたまた宇宙の謎に魅せられ解き明かそうと試みてきたわけで、天文、宇宙ってとても人間的な領域なのです。哲学、科学の基本と言ってもいい。そんな分野の検定があるなど露知らず、今回本書のおかげでその存在を知った次第。主催は天文宇宙検定委員会、池内了先生や天文写真家の藤井旭さんらが監修委員をされている。2011年に始まった若い検定。本書はその公式テキストの3級版。3級というのは「中学生で学ぶ程度の天文学知識を基本とし、星座や暦などの教養を身につけたい方を対象」というレベルだそうだ。

1章 星の名前七不思議
太陽をお日さまというのはなぜ?/惑星の名前と曜日は関係あるの?/星の名前はどんな意味をもつの?
2章 星座はだれが決めたのか
昔の人々が考えた世界の成り立ち/季節とともに巡り来る星座たち/星座の成り立ち
3章 空を廻る太陽や星々
朝日は東から昇り夕日は西へ沈むのはなぜ/夜空の星々も動いている!/夏は暑く冬は寒いのはなぜ?/季節の星座が違う理由
4章 太陽と月、仲良くして
太陽と地球と月のややこしい関係/青空はどうして青い、夕日はなぜ赤い/月の満ち欠けはなぜ起こる/月の裏側はどうなっている/よく起こっている月食/もっとよく起こっている日食(?)
5章 太陽系の仲間たち
惑星の大きさを比べてみよう/惑星はどう見えるか/惑星といえるのはどんな天体?
6章 太陽系の彼方には何がある
太陽系の外はどうなっている?/太陽系も星座の星も銀河系の中/銀河系から宇宙全体へ
7章 天文学の歴史
暦の成り立ちと歩み/時間と時刻の決め方/天動説から地動説へ/望遠鏡を発明したのは誰か
8章 そして宇宙へ
宇宙を目指して!/宇宙飛行士のお仕事/宇宙から、宇宙と地球を調べる

偉そうに言っちゃってなんですけど、ポイントを押さえつつ分野をまんべんなく扱っています。星座や太陽系の星々にとどまらず、暦、天文学の歴史まで含んでいるところがさすが。それぞれの項目が見開き2ページにコンパクトにまとめられていて読みやすい。中学の理科の副読本にもよろしいんじゃないでしょうか。

さらに見ていくと、その内容は中学生レベルと侮るなかれ。日本天文学の先駆者として本木良永という人がいたことを初めて知りました。日食は月食よりもよく起こっていて、ちょっと前に盛り上がった金環日食は21世紀の100年間で72回(3年に2回!)もあったとか。ぼくが最も惹かれたのは柿本人麻呂の歌。

天の海に 雲の波立ち 月の船
星の林に 漕ぎ隠る見ゆ

いいねえ。万葉の時代から天体は人のそばにあったのだ。

テキストも読んだことだし、次は検定を受けてみようかなって気になってきた。3級では物足りなさもあるので、こうなると2級のテキストも見てみたくなりますね。

 - 自然科学・応用科学, 読書