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立て、立つんだ、ヴェネツィア 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 3』

      2017/09/16

文庫第3巻となる『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 3/塩野七生/新潮文庫』では、ヴェネツィアvsジェノヴァの戦いに多くのページが割かれる。

 

海の都の物語〈3〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)

海の都の物語〈3〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)

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塩野 七生
新潮社
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現在のイタリア商船旗に記される4つの国旗。ヴェネツィア、ジェノヴァ、ピサ、アマルフィ、9世紀以降の地中海交易を欲しいままにした四大海運共和国。アマルフィ、ピサが次々と衰え、地中海に君臨したのがヴェネツィアとジェノヴァ、東西の横綱となった。そして両国の120年にわたる戦いが始まる。両横綱というよりは、ジョーと力石のようなものだ(違うか?)。商売・交易で戦うのではない。軍事(海軍)力で戦うのである。勝った負けたを繰り返し、へとへとになるまで戦争を繰り返す。彼らがなぜ「共存共栄」という道を取らなかったのか、そんな疑問が残った。商売人であればもっと損得勘定で動いてよかったのではないか?それほどオリエント交易のパイが小さかったのか?

120年におよぶ激戦にヴェネツィアは耐え、勝利する。その勝因は国家のしくみだと塩野氏は指摘する。

 すべての国家は、必ず一度は盛期を迎える。しかし、盛期を何度も持つ国家は珍しい。なぜなら、一度の盛期は自動的に起こるが、それを何度も繰り返すのは、意識的な努力の結果だからである。

さて、わが国はどのような努力をしてきたのであろうか。一度も盛期を迎えていない?そんなことはないだろうに。著者にはそんな思いはないのかもしれないが、本書を読んでいると、ヴェネツィアと今の日本とを重ねたくなってしまう。例えばヴェネツィアとジェノヴァが大国アメリカと中国との間で翻弄される日韓に思えてくるのである。なぜ日本が存続し続けているのか。日本の社会にはどのような能力があるのか。その答えが知りたくなった。

今回の記事は「のか」が異常に多くなってしまった。疑問が次々沸いてくる一冊だったということなのか。

 - 社会, 読書