『ゼロ・グラビティ』3Dに圧倒されたよ
2022/03/27
いやー、堪能しました、これは観てよかった。『ゼロ・グラビティ』3D。
地上600キロメートル上空のスペースシャトル周回軌道上。船外ミッション中に人工衛星の破片の直撃を受け、宇宙空間に投げ出された二人、エンジニアのライアン(サンドラ・ブロック)と宇宙飛行士マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)とをひたすら映し続ける。重力、酸素を失った絶望の空間に投げ出されたライアンが、それでもなお生きることを渇望し、かすかな希望を手繰りよせる姿に胸打たれずにはいれません。
そんな心情描写もさることながら、醍醐味は、なんと言っても圧倒的に迫力のある映像。宇宙空間で繰り広げられるドラマが、あたかもすぐそこで起こっているよう。劇場ごと地上600キロに放り出され、自分も宇宙をさまよっているのかと錯覚すらさせられる。こっちまで呼吸が苦しくなってくるのだな。これぞ3Dで。こんなすごい映像どうやって撮影したんだ!と悩んでいたら、メイキングビデオが紹介されていました(こちら)。撮影技術もさることながら、宇宙開発が進む今だからこそ製作され、現実感が迫ってくる作品だ。
ところでこの『ゼロ・グラビティ』という邦題、原題は『GRAVITY』なので、正反対のタイトルとなっている。この違いは何なのか。原題は、舞台を無重力の空間に設定することで、普段気に止めることのない重力に意識を向けさせる逆説的なタイトルなのだと解釈した。邦題は、作品の舞台が単に無重力空間だってこと示しているにすぎない。原題のほうが重みがあってかっこいいよなあ。なんで『グラビティ』にしなかったんだろうね。