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数(すう)でも数字でもない、数(かず)が大事 『数に強くなる』

      2017/09/16

数に強くなる (岩波新書 新赤版 1063)『数に強くなる/畑村洋太郎/岩波新書』はメチャクチャ面白くて役に立つ「数」の本です。「数」は「すう」ではなく「かず」と読みます。「数(すう)」でも「数字」でも「数学」でもなく、「数(かず)」を自分のものにすることが、大袈裟に言えば生きていくうえでとても大事なことなんだよ、というのが畑村先生の主張なのですね。

著者は本書を数字や数学の嫌いな人に読んでほしいようなのですが、なんのなんの、数字の好きな人ほど楽しめる内容だと思います。数字好きの人が本の最初だけパラパラめくって、「なーんだ、レベル低いんじゃないの」とスルーしてしまったりすると、それはあまりにも勿体無い。

いきなりですが、本書にある次の問題に挑戦してみて下さい。

問題:鉄の熱膨張率はいくらか求めよ
熱膨張率とは温度が変化したとき物質の大きさの変化する割合のこと。ここでの熱膨張率は厳密には線膨張率で、温度が1℃変化すると鉄の棒の長さはどれだけ変化するかを表す数です。調べちゃだめですよ。ググるのも理科年表を開くのもだめ。すでに知ってる場合は一度忘れましょう。自分の頭の中だけで考えて数を導いて下さい。

考え出せましたか?私はお手上げでした。そして、これは「数に強い」とは何かを説明するとてもいい問題だなあと感心しました。

さて、この問題が解けなかった方、是非とも本書を読んで数に強くなろうじゃないですか。

 - 自然科学・応用科学, 読書