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繋がっている 『ブルースカイ』

      2017/09/16

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)今回読んだ『ブルースカイ/桜庭一樹/ハヤカワ文庫』が私の桜庭一樹初体験となる。『赤朽葉家』は絶賛されるし、直木賞まで受賞となっては一度試してみましょうということで。

本書を粗っぽくカテゴライズすれば「タイムトラベル物」。過去-未来-現在と並ぶ三つの章で構成されている。出だしの第一章はよかった。1627年、魔女狩りを背景にあしらい、謎めいた老婆と少女との物語が進行する。この章で全体のおよそ半分がついやされており、書き込まれた中世の雰囲気もよい。追手からの追跡を逃れた少女がこの後どうなっていくのか、なかなか期待を持たせてくれる。第二章で話は2022年のシンガポールへ飛ぶ。近未来のゲームプログラマが作り出すバーチャル空間が第一章の時間空間を連想させ、ますます期待が膨らむ。ところが、なのだ。第三章を読み進めるうちに嫌な予感が漂い始める。そしてエンデイングに至るまで…何もない。「女子高生が過去と未来とに行った」だけなのだ。ここまでの話は一体何のためだったのか。「繋がっている」と言いつつ、何もつながらないのだ。

評判の桜庭一樹という名前に期待していただけに、これはないんじゃないのと言いたい。尻すぼみでとても物足りない。

 - 小説, 読書