『宇宙はどうしてこんなにうまくできているのか』は宇宙をどうしてこんなにうまく紹介できているのか
2017/09/16
宇宙はなぜこんなにうまくできているのか / 村山斉 / 集英社
どうやら宇宙は絶妙なあんばいでうまくできているらしいのである。「うまく」というのは「人間にとって都合よく」という意味で。
地球上で「プチっ」と発生した生物が40億年かけて人間に進化してきた。生物(当然人間も)を造っているメインの元素は炭素。この炭素、もとからあったものではない。距離的にも時間的にも遥かかなたの星が大爆発したときにまき散らされたもの。そんな宇宙のどこかでできた炭素が漂い、地球となり、ひょんなことからアミノ酸を作って生物が誕生した。わたしたちの体をつくっている元素は、星屑からできているのです。こんなこと言われたって何の実感もないかもしれませんが、想像するとむちゃくちゃスゴイこと。ゾクゾクしてきます。
そして、星々の誕生は絶妙なバランスの上になりたっているらしい。素粒子の質量がほんの少し違ったり、暗黒エネルギーの量がほんの少しちがったり、などなど、何かがちょっと違っていたら今のような星が散らばる宇宙はできそうもなくて、わたしたちも存在しない。
人間がなぜ存在しているのかと問うことは、宇宙はなぜ存在しているのかを問うことなのだ。
人間は宇宙の謎をどこまで解き明かすことができたのか、暗黒物質、暗黒エネルギー、インフレーション理論、フェルミオン、ボソン、大統一理論などなど、こんなに読みやすく書かれた最先端の宇宙論、素粒子論に触れてゾクゾクしてみませんか。もちろん今もっともらしく唱えられている説も明日にはひっくり返るかもしれませんけどね。
なお、本書は同著者の『宇宙は何でできているのか』とかなりかぶっていますから、そちらを読んだ方にはご注意を