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冷静に「価格」を考えよう 『クルマは家電量販店で買え!』

      2017/09/16

クルマは家電量販店で買え!―価格と生活の経済学 『クルマは家電量販店で買え!/吉本佳生/ダイヤモンド社』は、『スタバではグランデを買え!』に引き続き、日常生活で身近な「価格」をベースにした経済解説書。裁定など、儲けに目敏い人ならすぐに気づくことだが、丁寧にわかりやすく解説されているのがよい。

興味深かったというか、勉強になったのは「第4章 ライバル企業が、互いに不幸になる競争を止められないのはなぜか?」。
オークションは公開方式と封印方式とに分かれること、それぞれについてさらにイングリッシュオークションとダッチオークション、ファーストプライスオークションとセカンドプライスオークションがあること、各方式によって様々なメリット・デメリット、思惑が生じることなどなど、知識と気づきをもらった。

中でも一番面白かった事例は「1000円オークション」。このオークションは以下のルールで成り立っている。

  • 1枚の1000円札を公開オークションで競る。
  • 価格が上がっていくイングリッシュオークション。
  • 100円単位で提示価格を上げることができるが、一度提示した価格を下げることはできない。
  • 1番高い価格を提示した買い手が「1000円札を1枚受け取り、提示価格を支払う。
  • 負けた買い手も、自分が最後に提示した価格を支払う必要があり、提示価格の分だけ損をする。

このオークションには参加しないのが正しい判断なのだが、ものごとそう簡単にはいかない。多くの参加者たちは「ひょっとして」と色気を出してまさかの行動をとり、そんなバカな、という結論が待ち構えている。ゲームだからと笑ってはいけな。でもそんなバカなことが、現実の世の中にいっぱい転がっているのだ。シンプルな試験で世俗の理不尽を理解できるのだ。

また、著者は、高速道路料金、携帯電話回線、そして温暖化ガス取引などに関してあるべき方向性を提案している。なるほどごもっともと思える意見なので、世間の動きを考える上での参考になる。

 - 社会, 読書