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望む、リーダー 『BBT on DVD 大前研一ライブ』

      2017/09/16

レビュープラスさんより今回はDVDを提供いただきました。いつもありがとうございます。

そのDVDとは『BBT on DVD 大前研一ライブ/大前研一/ヴィジョネア株式会社』、スカパーで放映中の同番組を収録したもの(トライアル版)で、こんな位置づけのメディアです。

「大前研一ライブ」は、世界的に有名な経営コンサルタントの大前研一が、その週に起こった日本や世界の主要なトピックやキーとなるニュースを、独自の問題解決の視点と分析力で読み解いていきます。地上波ではなかなか放送できないニュースの本質や裏側、隠された因果関係を明らかにし、それらが個人や企業に与える影響を詳しく解説します。また注目企業の業績・動向・施策を取り上げ、その意味合いや本質的問題点、成功の鍵を明らかにします。知る人ぞ知る完全会員制のビジネス・経営専門チャンネル「ビジネス・ブレークスルー」の看板番組として、スポンサーなしの本音トークで真実に迫ります。

実に良いです。かつて平成維新の会会員だった私としては垂涎ものの一枚。ニュートラルな立場からでも満足できるはず。このところテレビで見ることができなくなった大前研一の迫力ある解説と講演、それもたっぷり3時間。さらに独演ですから、余計なものに邪魔されず、大前氏の意見をじっくり聴くことができました。おおまかに4部で構成されていますので、以下それぞれの短評を。

今週の大前研一

年末年始の休暇の様子を楽しげに話したり、過去の失敗(iPhoneの予想外れ)を少々悔しげに語ったり。大前氏がどんな人間なのかを伝えることで、視聴者に共感を与えるのも目的かな。

ニュース解説(前編・後編)

ニュース解説では、政治、国際情勢、経済、ビジネスと広範囲でタイムリーな項目をカバー。特に今回の解説で腑に落ちたのは小沢一郎氏についての解説。

小沢さんのやってることはどういうことかっていうと、田中さんが作ってきたいわゆる利権ですね、この利権ていうのは自民党が独り占めしてきました。(中略)こういう利権をね、小沢さんは全部、自民はぐうの音も出ないように全部今の民主党に移してしまう。つまり小沢さんがやってることは、利権というものを全部根こそぎ自民党から民主党に移せば長期政権が可能であると。要するに、田中角栄の染色体が入っている人がどういう発想するのかということを考えるとわかりやすいわけ。この人はどういう国を造りたいかなんてことは全く考えてないですから。

小沢一郎とは何かがわかったような気がします。そして大訪中団、習近平国家副主席来日時のいざこざ、辺野古白紙化など民主党の行動が納得できました。
あと、アメリカのテロ対策は外交方針の転換しかないという意見。<友愛>などという意味不明の抽象概念ではなく、セキュリティ強化でテロ防止は不可能なことを数字で説明されるとスッキリするなあ。

RTOCS

古くなった事例のケーススタディではなく、「私が**だったらどんな方針を採るか」を考えます。今回は、日本ガイシの社長だったら。会社の歴史と現状、業界の世界的動向を見渡し、進むべき方向を鮮やかに打ち出す思考はさすが。ここまでくると一般人の私はもうついていけません。へー、なるほどなあ、と感心するばかり。大前氏の見識の広さ深さの本領発揮です。

大前研一アワー:講演「ニュー・グローバル・リーダーの条件」

リーダーとは、リーダー養成教育とは、そして英語・論理思考・構想力の必要性を説く講演。大前氏の講演は引きつけられますね。ここでは、面白かったフレーズをピックアップしておきます。二つ目のリーダーとエリートとの違いは気に入りました。

日本というのはそれを含めて寅さんの世界に行きます。それを言っちゃおしまいだよ、と。いやいや、それを言わなきゃ始まらない、というこの世界との違いですよ。(ロジックの必要性について)

エリートっていうのは差別用語ですよね。要するに東大出ればエリートだとか。(中略)エリートってのは自分たちがエリートと思う。こういう感じでしょ。リーダーってのはフォロワーがいてはじめてリーダーになるんですよ。だからリーダーとエリートは違うんです。(日本の大学はエリート養成を目指していることに対して)

さて最後に蛇足ながら、今回のトライアル版は1050円ですが、定期視聴するには月額12000円となります。微妙で心憎い価格設定です。これを投資と捉えることができる方には安いと思います。興味で見るにはお高いでしょうか。

 - 社会, 読書