著者が一番愉しんでいる 『絶滅した奇妙な動物2』
2017/09/16
本が好き!さんから献本いただきました。いつもありがとうございます。
かつて確かに地球上に存在していながら、今はなき動物たち。なんかワクワクするんですよね。DNAに刻み込まれた郷愁からなんでしょうか。そんな僕が、魅惑的なタイトルに思わず飛びつきました。その名も『絶滅した奇妙な動物2/川崎悟司/ブックマン社』。
1ページ、もしくは見開き2ページにドーンと動物のイラストが。5億年以上前の古生代カンブリア紀に生息した「ウィワクシア」から、つい100年前に絶滅した「ニホンオオカミ」まで、今となってはもう二度とこの世に現れることのない動物たちが総勢118体。なかでも恐竜系は著者のお得意とするところなのでしょう、紙面からはみ出さんばかりの迫力で描かれています。期待していた精密画的なものとは違ったけれど、丁寧なタッチの絵にかえって親しみを感じるかも。それぞれについての紹介文に加え、所々に活動してい様子の想像や絶滅の原因なども易しく解説されているので子供も喜びそうです。
子供といえば、届いた本書をパラパラっとめくって最初に頭に浮かんだのがポケモン図鑑だった。各ページに並べられているちょっと変わった生き物たちと、紙面の構成からそんな印象を持ったんでしょう。よくよく眺めていると、パキケファロサウルスなんてラムパルドとそっくりじゃないですか(すごいこと発見しちゃったんじゃない?)。
以上内容を紹介したところで、タイトルの「奇妙な」に若干の反論を。掲載されているどの動物も、あえて「奇妙」とは思わなかったから。今私たちが目にできるアリやヘビやタコやキリンだって、ヒトに比べれば充分奇妙ですからね。だから「奇妙」というよりは「凄い」と言った方がいい、『絶滅したすごい動物』。
体長20mを超える巨大魚リードシクティスや、ヒトと同じ背丈のペンギン、パキディプテス。クジラを食べていた巨大ザメ、メガロドンや、体側から巨大なトゲを伸ばしていたギガントスピノサウルス(周りにぶつかって歩きにくかっただろうな)。恐竜はいわずもがな、彼らが地球を闊歩していたことを想像すると、「スゲー」という印象が第一に来ますもん。
さてこの一冊、本自体もちろん愉しめるのだが、読んでよかったなあと思うのは著者を知ったこと。これを機会に川崎氏のウェブサイトやブログを覗いて感銘してしまった。氏は趣味で、古生物をはじめとする動物が好きで好きでたまらなくて、日々古生物学の情報を追っかけては、化石の骨格情報などから精密な復元画を描き続けていらっしゃるようだ。ウェブサイトには膨大な復元画がアップされていて、描くのが愉しくてしかたないといった様子がビシビシと伝わってくる。そんな「好きでたまらない」様子を想像するとこちらまで愉しくなってきた。