読んだら「ワオ!」と叫びたくなる 『ザッポス伝説』
2017/09/16
顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか / トニー・シェイ(本荘修二、豊田早苗 訳) / ダイヤモンド社
『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか/トニー・シェイ(本荘修二、豊田早苗 訳)/ダイヤモンド社』を夢中で読んじゃった。無茶苦茶面白い。エンカレジされると言うべきか。幸運なことに、こんな素敵な本をAMNブッククラブのキャンペーンで読ませていただけた。御礼。
顧客からの抜群の信頼度で急成長を続けているアメリカのオンライン靴小売企業ザッポスのCEOトニー・シェイが、子供時代から現在までの起業、経営の半生を語った一冊。ザッポスは驚きの顧客サービスだけでなく、最も働きがいのある企業としても高く評価されている。客も従業員もハッピーにする企業ということ。
本書は時間に沿った3部構成で、それぞれ「Profit」「Passion」「Purpose」とタイトルがつけられている。このタイトルが彼の人生を表す言葉として、絶妙にマッチしているのだ。子供のころから次々と事業を立ち上げ(ミミズ牧場、バッジ販売、リンクエクスチェンジ)儲けを追い求めた時期、ザッポスを信じ全精力を仕事にかけた時期、人生の目標が「幸せ」であることに気づき周囲に幸せを届ける時期。3つのPで自分の人生を語れるなんて、なんてかっこいいんだ!
以上のようなトニー・シェイの遍歴を追うだけでも充分ワクワクする読みものなのだが、彼がたどり着いた「コア・バリュー」を取り上げないわけにはいかない。ザッポスを経営する指針、企業理念のようなもので、次の10項目でできている。
- サービスを通して「ワオ!」という驚きの体験を届ける
- 変化を受け入れ、変化を推進する
- 楽しさとちょっと変なものを創造する
- 冒険好きで、創造的で、オープン・マインドであれ
- 成長と学びを追求する
- コミュニケーションにより、オープンで誠実な人間関係を築く
- ポジティブなチームとファミリー精神を築く
- より少ないものからより多くの成果を
- 情熱と強い意志を持て
- 謙虚であれ
この「コア・バリュー」には心から納得させられる(完成させるのに1年かけたそうだ)。そろそろ年に1回の見直し時期が近付いているミッションステートメントに是非とも取り入れていきたい。
もう一つ、僕が気に入った箇所を挙げておく。共同経営者アルフレッドが従業員に宛てたブログ記事の一文だ。
1日わずか1%の改善を来る日も来る日も続けていき、成し遂げられることについて考えてみて下さい。1%の改善を続けることで、劇的な効果が生じ、1年後には私たちは37倍よくなっているのです。
毎日1%というのは、本当はとてもたいへんな数字なんだけれど、なんか元気が湧いてくるでしょ。
経営書ではあるが、経営者ならずとも、「幸せ」なりたいすべての人の心にしみるはず。是非とも読んでみて。そして行動に移そう。
道を知ることと、実際に歩むこととは違う
―映画『マトリックス』のモーフィアスの言葉