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真保裕一の復活を望む 『天使の報酬』

      2017/09/16

天使の報酬 / 真保裕一 / 講談社
天使の報酬

ドラマ『外交官 黒田康作』が気に入っていて、欠かさず録画して観ている。織田裕二のかっこよさにビリビリしびれまくってますからね。その原作が『天使の報酬/真保裕一/講談社』。書店で見かけて無性に読みたくなった。
読みたくなった理由はドラマの原作というだけではない。むしろその割合は小さい。最大の理由は帯の惹句にあった。

久々の小役人シリーズ書下ろし長編。

そう、かつて「小役人シリーズ」から真保裕一にズッポリはまった記憶が蘇り、今一度あの感動を味わいたくなったのだ。

改めて僕の本棚を確かめてみると、真保裕一は『連鎖』から始まり『トライアル』で終わっていた。今思い返すと、『取引』『震源』『ホワイトアウト』と目が離せなくなり、真保熱は『奪取』で頂点に達した。さすがにその後は冷めていったようだ。だから僕にとっての真保裕一ベストは『奪取』であり、次点は『ホワイトアウト』なのだ。あれから12年の時が流れ、真保裕一30作目が本書『天使の報酬』となる。振り出しに戻って「小役人シリーズ」が楽しみになった。

で、ようやく本題にたどり着いて、『天使の報酬』はこんなストーリー。

サンフランシスコで日本人女子大生・霜村瑠衣が失踪し、日本から駆けつけた父親の立ち会いのもと、アパートの捜索が行われた。外務省邦人保護担当領事・黒田康作も現場に立ち会ったが、当の父親は、娘の失踪理由を知っていて隠している様子が窺われる。瑠衣の容疑は、単なる窃盗ではなく、テロ準備罪?! 黒田が調べていくうちに、彼女の周囲には、日系ボリビア人や謎の日本人フリージャーナリストをはじめとする不審な人物の影がちらついていて、何人かの死亡者までいることが判明。ついに失踪事件の背後に隠されていた真実に辿り着いたとき、その重さに、黒田は愕然とする。国益を優先すべきか、邦人の命を守るべきか、黒田の苦悩はつきない。
「BOOK」データベースより

ドラマの原作となってはいるが、内容はかなり違うはずだ(ドラマの結末がまだわからいならね)。

さて感想はというと、期待値が高かっただけに欲求不満が残るかな。370ページまではまずまず盛り上がって読みふけったんだが。なるべく褒めたいんだけれど、

  • ラスト20ページのこの解決はなんなんだ
  • 官僚の習性描写がくどい
  • 台詞のあとにいちいちその説明があるのもくどい

と書かずにはいられなくなった。こねくり回した末に「エッ」と肩透かしをくわせられたという感じ。
かつての真保裕一に戻ってきて欲しいというのは贅沢な望みだろうか。

 - 小説, 読書