すぐびん

山歩き、読書や工作、おじさんの遊んでいる様子

検索

世界の今を一望してみる 『知らないと恥をかく世界の大問題』

      2017/09/16

先日続編が出たので、まずは『知らないと恥をかく世界の大問題/池上彰/角川SSC新書』を読んでみた。この際はじめから、ということで。

目次
第1章 新しい「世界の勢力地図」を占うキーワード
第2章 20世紀の覇権国家・アメリカを転落させたもの
第3章 アメリカ一極集中の崩壊─次なる覇権国家はどこか?
第4章 待ったなし!世界全体が抱える問題点
第5章 新たな火種、世界各地の小競り合い~国や地域間の衝突~
第6章 政権交代で解決できるか?─日本の抱える問題点
第7章 世界の中の新しい風を読む~私たちがなすべきこと~

ご覧のとおり、今の世界情勢がどうなっているかを知る上で必要な項目が広く取り上げられています。アメリカ、中国、ロシア、ヨーロッパ、その他世界が今どんな状態で、これからどこへ向かおうとしているのか。過去の歴史を踏まえて明快に解説されています。今更ですが池上氏の解説はとても読みやすいですね。

普段から政治、経済に深い関心のある方には物足りないレベルかも知れません。僕には丁度手頃でしたけど。基礎をカッチリ勉強するのにはうってつけの一冊でしょう。

僕にとって特に面白かったネタは次の二つかな。

  • インドでなぜIT産業が発達したかの大きな理由に「カースト制度」があるということ。カースト制度のもとでは就ける職業、仕事が細かくきまっているのですが、新しいIT産業ではそんな縛りがなく、低い階層の生まれでも能力さえあれば活躍できるのですね。
  • サルコジ大統領は「地中海覇権」の野望があるということ。先陣を切ってリビアを攻撃したのは、過去の経緯もあるかもしれませんが、この野望によるものなのでしょう。

そんな知識を得るのもさることながら、本書で本当に大事なことは、

  • 「今」は突然現れたのではないこと。歴史的な過去からの流れの中で「今」があるということ。
  • 個々の行動、出来事は独立には存在しえないこと。何かをすれば、本来の目的以外のところに作用が及ぶということ。

を再認識することだと感じました。

さて、2009年に書かれた本書では、政権交代を果たした民主党に大きな期待が寄せられています。しかし続編の『2』ではどうも様子が違うような。そのへんについてはこの次に。

知らないと恥をかく世界の大問題/池上彰/角川SSC新書
知らないと恥をかく世界の大問題 (角川SSC新書)

 - 社会, 読書