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外の人のためのキリスト教入門 『ふしぎなキリスト教』

      2017/09/16

『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』でちょっとばかし宗教に触れたところで、それならばもう一歩踏み込んでみるかと『ふしぎなキリスト教/橋爪大三郎 大澤真幸/講談社現代新書』を手に取ってみた。二歩目としては大正解の一冊じゃなかったかと思う。それは、外の人が書いた入門書だったから。

大澤氏が質問して橋爪氏がそれに答える形で、一神教とは何か、キリスト教の特異性はどこにあるのか、キリスト教がいかに西洋を形作ったか、を談義するわけだが、ここで著者のお二人が宗教学者でも神学者でもキリスト教関係者でもなく社会学者であることが本書の最大の魅力だ。非キリスト教徒に対して「キリスト教ってこんなふうに捉えればいいんじゃない」って感じで、完全によそ者の立場での解説が貫かれている。中の人なら当たり前であったり、訊いちゃいけないと暗黙の了解があったりってなことをズバッと言っちゃうところがすごい。これがありがたいのだ。
例えば一神教について、

日本人は、神様はおおぜいいたほうがいい、と考えます。なぜか。「神様は、人間みたいなものだ」と考えているからです。神様は、ちょっと偉いかもしれないが、まあ、仲間なんですね。(中略)一神教のGodは人間ではない。親戚でもない。
まったくのアカの他人です。アカの他人だから人間を「創造する」んです。(中略)Godが人間を「創造した」のなら、Godにとって人間は、モノみたいなもの。所有物なんです。つくったGodは「主人」で、つくられた人間は「奴隷」です。

とか。Godを信じるのは安全保障のため、キリストは100%神で100%人なんてはっきり言い切っちゃってます。

順序は逆さまになるけれど、まずは「あとがき」を読んでいただきたい。「戦後日本」家の5人兄弟、「日本国憲法」「民主主義」「市場経済」「科学技術」「文化芸術」は「キリスト教」というよその家から貰われてきたと書かれている。そうなんだよなあ。キリスト教を信仰としてではなく思想として知っておく必要性がここにあるんだよなあ。

 

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