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21世紀は方法の時代 『知の編集術』

      2017/09/16

知の編集術 (講談社現代新書) 『知の編集術/松岡正剛/講談社現代新書』を読み終えた翌日、ある会合に出席する機会があり、そこで数名のスピーチを聴いた。それぞれのスピーチに上手下手が感じ取れ、これが「編集」の巧拙だなと実感した。
スピーチは「編集」のほんの小さな一例に過ぎない。松岡氏によれば、編集とは「あれこれの情報」を「われわれにとって必要な情報」すなわち「知」にしていくこと。そこでのいちばん大事なことは、

さまざまな事実や事態や現象を別々に放っておかないで、それらの「あいだ」にひそむ関係を発見することにある。そしてこれらをじっくりつなげていくことにある。

のだ。
巷には「知的生産術」をうたった本が多く出回っているが、本書はそれらとかなり趣を異にする。松岡氏が提唱するのは「編集工学」だから、本書は編集のための技術体系に関するイントロダクションなのだ。編集工学入門書なのでその感触をつかめるレベルだが、例えば「64編集技法」には、私たちが普段何気なく使っている技術も含めて編集技法がわかりやすく分類整理されている。何かを考えるとき、そして特にそれらをアウトプットするとき、このような技法を意識し活用することはきわめて有用だ。

 - 社会, 読書