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癒しよりも驚きを!でも『たまげた録』には癒されるんだよなあ

      2017/09/16

たまげた録 / 原田宗典 / 講談社文庫
たまげた録 (講談社文庫)

ハイ、本書を貫く深遠なテーマは「もっと驚こうよ」であります。

冒頭で原田氏は高らかに宣言するのです。

ところで読者の皆さんは、一日に何度くらい驚いているだろうか?
……
二昔、いや三昔四昔くらい以前の日本では、
「シェーッ!」
「びっくりしたなあモウ」
「あッと驚くタメゴロー」
なあんて言葉が流行したくらいだから、何だか今よりもずっと頻繁に驚いていたように思える。そしてその“驚き”を楽しんでいたように思う。
……
世の中がこうも驚きの少ない状況になってしまった今、私は声を大にして言いたい。皆もっと積極的に驚こうではありませんか、と。

でもって、この後、氏の驚きがあれやこれらと披露されるのであります。部屋の模様がえで、トイレで、外国人の名前を見て。愉快な驚きの連発。読み始めてすぐに「そうだよな、オレって驚きが足りないよな」と反省しました。載せられている驚きにはささやかなものも多い。でも頭の使い方一つでこうも楽しく驚ける、たまげられるもんなんだ。そうか、こうやってたまげればよいのか!改めて驚き方を教わりました。ヨシッ、なんかもっとたまげられそうな気がしてきたよ(ちなみに「たまげる」は漢字で「魂消る」と書くそうな!)。

本書を開くときの注意書きとして、一人のときに読むことをお勧めします。なぜなら、声をあげて笑いたくなりますから。周りを気にして笑いを噛み殺したりしちゃ楽しさが半減しちゃいますからね。笑いだけじゃありません。原田宗典の立派なところは、ジーンとくるお話がちゃーんと混じってるんですね(操山会館管理人Oさんの話)。人前で涙を拭うはめになります。

ついでながら、好きなエッセイストは誰ですかともし問われたら、向田邦子と原田宗典が1、2を争いますね。『スメル男』以来の原田ファン。妙に波長が合うんだよなあ。同年代ってところがあるかもしれない。この記事冒頭の引用、ど真ん中ストライクでニヤっとしちゃうもんなあ。

 - 小説, 読書