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面白い英語の本をお探しの方、『MAKERS』はいかが?

      2017/09/16

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる / クリス・アンダーソン(関美和 訳) / NHK出版
MAKERS―21世紀の産業革命が始まるMakers: The New Industrial Revolution

とっくに時期を逸してしまいましたが『MAKERS』のご紹介。といっても内容はひとまず後回し。まずはこの本、英語の勉強にいいんじゃないかなということ。

前作『フリー(FREE)』がすごい本だったので、この『MAKERS』が翻訳が発売された当時、これは必読だよなとAmazonでポチしかけたら、画面の下の方に違うバージョンが。なになに、と見てみると、翻訳書が1995円なのに対し、原書のKindle版が1178円!これは見過ごせない。そんでもって、英語苦手なくせに、値段の安さに惹かれて原書のKindle版をダウンロードしてみた(なぜか現在Kindle版は販売されていない)。

最初、読めるかな?と心配していたのだけれど無用でした。グイグイ(は大げさだけど)読み進めることができた。そんなに難しい英語じゃないし、とにかく中身が面白からやめられない。勉強のために英語の本をお探しであれば、これかなりお勧めです(Kindle版は見当らないのでペーパーバックかな)。フィクションよりもノンフィクションの方が絶対読みやすいですから。特に前半は話のレベルが高くなく、ユーモラスな逸話を引合いに出しつつ具体的な事例が紹介されているので取っつきやすいですよ。

さて、せっかくなのでごく簡単に内容を紹介。
本書においてアンダーソン氏が語るのは、21世紀の産業革命、メイカームーブメントの現状と未来。『フリー』がビットが創りだす世界だったのに対し、『MAKERS』はさらに進んで「ビットからアトムへ」を説いています。インターネットの普及が、これまでは電子情報産業(ビット)を生み出してきたのに続いて、これからは製造業(アトム)に変革をもたらすということ。

製造業に変革が起きているのには技術的な背景があって、それは次の2点。

  1. 製造技術としての工作機械の進歩:小型で個人が簡単に取り扱いできるすごい工作機械が登場した。4種の神器と呼ばれる3Dプリンタ、CNC、レーザーカッター、3Dスキャナ。これらの機械によって、モノ作りのための大規模な設備投資が不要となる。
  2. インフラとしてのインターネットの普及:インターネットの役割は二つ。一つはネットを通じた全世界に向けての販売網。世界中がお客様になるので部数が飛躍的に増える。これによりモノ作りのロングテール化が可能になる。もう一つはオープンハードウェア。製作目的や工程をネット上でオープンにすることで、開発、設計、資材調達、販売プロモーションなどに多くの人が自由に参画できる。品質向上、コスト短縮、工期削減につながる。

この2点が融合することで、商品開発、設計、製造ライン、販売網といった初期投資を極端に低く抑えることができるので少量生産で採算がとれる(その代り大量生産には向かない)。すなわち大量生産メーカーとは異なったニッチで充分生きていけるということなのだ。すでにこんな時代が幕を開けているのです。

周りを見てみると、一人家電メーカーの八木啓太氏なんてまさにこの流れを実現している方ですね。また、最近こんなサービスを見かけた。子どもが書いた絵を3Dイメージ化してフィギュアを作ってくれるサービスです。
crayoncreatures

MAKERS的ですな。

当然話はモノ作りでどんどん起業しようよ、クリエイティブになろうよ、大企業や安価労働力に打ち勝とうぜ、となります。その辺についても具体的に書かれていて、商売として成立させるための価格設定までアドバイスしちゃってます(ちなみに製造コストの2.5倍なんだって)。

なんか胸躍るなあ。こんな楽しい話だから英語でも読めたんだね。今起業する気はないけれど、3Dプリンタが欲しくなっちゃった。

 - 自然科学・応用科学, 読書