『ミュシャ展』@国立新美術館を観てきたよ
2018/01/12
国立新美術館で開催中の『ミュシャ展』を観てきた。『草間彌生 わが永遠の魂』を観たら、こちらも見逃すわけにはいかない。2Fに上がるとミュシャ展。なお、『わが永遠の魂』のチケットがあると観覧料が100円引きになります。
展覧会概要はオフィシャルサイトから抜粋。
まずは「スラヴ叙事詩」。Eテレの日曜美術館でも取り上げられていて、なんかすごそうだぞと心して来たのだが、やはり実物は圧巻。そもそもデカい。でも迫ってくるような威圧感はないんだな。どこまでも穏やかというか落ち着いているというか。大きさにはやはり意味があって、その空間、時間(東欧であったり13世紀であったり)に居るような感覚を与えてくれる。スラヴ人は自分たちのアイデンティティをどのようにして守ってきたか。それを大画面の歴史的な場面を通じて表現する。ミュシャの溢れんばかりの意欲が伝わってくる。どれも見ごたえがあるが、あえて選ぶとしたら「イヴァンチツェの兄弟団学校ークラリツェ聖書の印刷」が好きかな。20作品の中でいちばん日常を感じられる。左手前方には老人のために聖書を読む青年が描かれていて、本人がモデルとも言われている。
「ジスモンダ」をはじめとするサラ・ベルナールのポスターシリーズはほんときれい。当時はさぞ新鮮だったのだろう。彼女が惚れ込んだのもわかるなあ。これらのイラストっぽい作品を仕上げるまでには、植物などの細密なスケッチがあったそうだ。彼の体の中で実物画像がイラスト風に変換されて
いたのだろう。そう言えば、「スラヴ叙事詩」の中の人物は、モデルの写真をもとに一人ひとりを描いたのだとか。
ミュシャの作品は全体を通して色が変わらない。赤も黄も、青も緑も、生涯を通してどれも彩度の低い落ち着いた色調を愛したんだな。
13時頃入館、14時半頃退館、およそ90分の鑑賞。壮大なスラヴ世界に浸ることができた。