はじめてのTED音読[TEDで笑えるようになるプロジェクト]
2018/04/18
TEDの音読をやってみた。はじめての挑戦である。
今進めているやり直し英語学習プロジェクトの目標が「TEDで笑えるようになる」なので、どうにかしてそれを教材にしたいのである。発音とかパターン暗記とかやっている今の時点で、まったく歯が立たないTEDを音読教材に使うのが無謀なのは承知の上。でもそれを扱う目的というか狙いは一応ちゃんと持っている。
まず、本当にTEDが聴き取れるようになるのかを確かめておきたい。どう転んでも聴き取れないのなら目標を変更する必要があるからね。
そして、もしTEDが聴き取れる可能性がありそうならば、それに対して足りない力が何なのか、何をトレーニングすればよいのかをよりクリアにできるだろう。
おじさんっぽく野球に例えてみようか。「TEDで笑えるようになる」という目標は「140km/hの直球(ストレート)を打ち返す」ようなもんだ。それを達成するために素振りとかトスバッティングとかの基礎固めはもちろん大事だろうけれど、そればっかりではいつまでたっても140km/hの球は打ち返せまい。実際に140km/hの球にくらいついていく体験が必要なはずだ。どれほどのスイングスピードがあれば打ち返せそうか、走り込みが要るのか、筋トレが要るのか。目は球の速さについていけるのか、などなど。
そんな魂胆をもってTEDトークの音読に取り組むことにした。
音読に使ったトークはこれだ
最初のTED音読教材に選んだトークはこれだ。
Teach statistics before calculus
スピーカーのArthur Benjaminは数学者、微積分より統計学を教えようよ、という講演だ。
選んだ理由
なんでこれを音読の教材に選んだのかというと、
- まず、時間が3分弱と短い。なんとか集中できる長さ。トランスクリプトはA4で1枚に収まる。これより長いと辛い。萎える。
- 二つ目は、講演者、Arthur Benjamin、の発声が明瞭なこと。元気良すぎるくらいの勢いのあるしゃべりだ。
- 三つ目が、これがなにより大事なのだけれど、内容がめっちゃ面白い。そしてわかりやすい。数学教育において、微積分よりもまず統計学を教えるべきだよという主旨にはうなずけるし、話の構成も説得力がある。ついでに、最後の締めの一言が上手い。これなら音読やってみたいと直感した。
音読のやり方
では、実際にどう取り組むかとなって、英語耳に書いてあった方法、Parrot's Lawに倣ってみた。4つのステップに分けて、全部で100回聴く。その内40回が音読。なお、リスニングにはビューアアプリClipboxを利用(この使い方は別途紹介したい)。動画は無駄なので、音声ファイルに変換して聴いた。
Step1 まずはなにも見ずに30回聴く
とにかく音声だけを聴く。なんて言ってんだ?と耳を集中させてリスニングを30回繰り返す。30回聴くとなんとなくわかるところも出てくるし、何度聴いてもわからんところがはっきりする。所要時間90分。
繰り返し聴くその一方で、トランスクリプトを徹底的に読む。意味のわからない単語、熟語はもちろん調べる。文法事項もとことん確認する。文の構造(主語、述語、目的語)、時制、単数形複数形、冠詞、などなど、文法を徹底的に確認する。ここすごく大事。わからない文章を音読しても意味ないと言われているので、わかりつくしておかなければならない。トランスクリプトを読み解いていく過程で、当然聴き取れる箇所は増えてくる。
Step2トランスクリプトを見ながら30回聴く
トランスクリプトに書かれている文字がどう発音されているのかを確認しながら30回聴く。リズム、強勢、リンキングとかリダクションとか。所要時間90分。
音読のやり方といいながら、音読する前の準備が長いなー。
Step3 いよいよ実際声に出して読む、30回
音声を聴きながら、そしてトランスクリプトを見ながら音読30回。音声についていくように読む。所要時間120分くらい。このとき、最初再生スピードを遅くして、徐々に速くしていくとよい。というか、そうしないとついて行けない。具体的には、最初の5回くらいはx0.5、次の10回くらいはx0.67、さらに次の10回くらいはx0.8、と順にスピードを上げて行って、最後にオリジナルの速度で音読する。
Step4 シャドーイング10回
仕上げはなにも見ずにシャドーイング10回。この時もついていける速さに落としてシャドーイング。できないことをごまかしてやっても意味がない。できること、できるレベルのことを確実にやる。所要時間40分くらい。以上、合計100回!
効果
さて、興味はこれが効果あったのかということだろう。
これを1回やったところで劇的な変化が訪れるはずもないけれど、それなりの成果は確かにあった。自覚できる変化は以下のようなところ。
- トランスクリプトをきちんと読めば、TEDで笑えるということが明らかとなった。力をつければなんとかなりそうな。
- 5~6時間かければ聴き取れようになるということが明らかとなった。この6時間を、3時間、1時間、30分、10分、……、とどんどん縮めていければ……。
よし、2つ目に挑戦やね。