読んでいると米朝さんが浮かび上がってくる 『上方落語 桂米朝コレクション1 四季折々』
2017/09/16
落語が大好きです。僕の場合、大阪生まれなので上方落語。子供の頃はテレビやラジオで落語がよく放送されていた時代で、ABCラジオの『パルコ拾円寄せ』なんかはカセットに録音して(!)何度も繰り返し聴いたもんです。
大阪人の笑いとなると、たいてい漫才や吉本新喜劇が引き合いに出されるけれど、僕にとっての笑いのルーツは圧倒的に上方落語なわけです。
上方落語といえば桂米朝師匠。米朝さんは上方落語を一人で背負って立っているような方で、人間国宝にまでなっちゃった名落語家です。
今回ご紹介する『上方落語 桂米朝コレクション1 四季折々』には、「けんげしゃ茶屋」「正月丁稚」「池田の猪買い」「貧乏花見」「百年目」「愛宕山」「千両みかん」「蛇含草」「まめだ」「かけとり」「風の神送り」といった有名な演目11編が米朝師匠の気のきいた解説とともに収められています。
落語は本来観るものなんだけれど、本で読んでも充分楽しめるんですね。というのも、本だからもちろん文字を目で追っていくわけですが、頭の中では米朝さんが演じてくれているんです。米朝さんの声が聞こえてくる。表情や身振り手振りが浮かんでくる。ちゃーんと見台もある。これまでに大量の米朝さんの落語を見てきたので、脳内に映像や音声がインプットされているからなんでしょう。あー楽しかった。至福のひととき。
ついでながら、書評落語も創っちゃいました。よろしければこちらをどうぞ。言うのもなんですが、結構自信作です。ハイ。